スポーツ庁より,今年度の全国体力テストの結果が公表されました。正式名称は『全国体力・運動能力等調査』で,全国学力テストと同じく,毎年度実施されています。
![都道府県別の部活のブラック度](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a9000d67a7c4db44fa9036ce7f5c6eef6bb9b2db/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2F1.bp.blogspot.com%2F-y8kNfSKvUMY%2FWFuHvEXnwKI%2FAAAAAAAAKTU%2FP6r-STLbRnUmiSk9spvvfx8W_rQLeHagwCLcB%2Fw1200-h630-p-k-no-nu%2F%2525E9%252583%2525A8%2525E6%2525B4%2525BB%2525E2%252591%2525A0.png)
北陸新幹線が開通したことにより,北陸地方と東京がより短時間で結ばれることになりました。結構なことですが,関西圏の人たちは心境複雑のようで,大阪府の松井知事は「東京と北陸が新幹線でつながるとこちらが不利」と漏らしています。 http://news.livedoor.com/article/detail/9888447/ しかし,より危機感を抱いているのは,ほかならぬ大学関係者かもしれません。大学進学段階では地域移動が激しくなりますが,北陸地方といえば,首都圏と関西圏が常に拮抗しているところ。関西の大学にすれば,入学者の供給源を奪われることにもなりかねません。 これからどうなるかは,神のみが知るところですが,ちょっと現状分析をしてみましょう。文科省の「学校基本調査」から,各県の高校出身の大学進学者が,どこの大学に進学したかを知ることができます。 http://www.mext.go.jp/b_
私は大学で調査統計の授業(3年生対象)を持っていますが,エクセルで簡単な棒グラフを作れない学生さんが結構いることに驚いています。 話を聞くと,「エクセルなんて,1年時のコンピュータ活用の授業以来,全然開いていない。きれいさっぱり忘れた」とのこと。それどころか,パソコンに触れることもあまりないのだそうです。じゃあ,彼らの生命線ともいえるネットはどうしているのかというと,言わずもがなスマホなどの小型機器です。仲間との通信,買い物,情報収集などはこれで十分。 私などはその逆で,ケータイもスマホも持ちませんが,卓上のパソコンは必需品です。ネットはスマホでもできますが,私は目が悪いので,小さい画面はきつい。それに生業であるデータ分析や原稿執筆は,パソコンでないとどうにもなりません。 私は,若者のデジタル事情について興味を持ち,データで実態を明らかにしてみました。国際比較によって,わが国の状況を相対化
昨年の9月12日の記事では,都道府県別の大学進学率を出したのですが,この記事を見てくださる方が多いようです。地方出身の方(私もそう)にすれば,日頃の実感が数値化された,ということでしょうか。 また,各県の進学率は県民所得と非常に強く相関していることも知りました。大学進学率の都道府県差は,生徒個々人の意向や能力の差ではなく,外的な条件の違いに由来する教育機会の不平等の表れであることもうかがえます。わが国の大学の高学費・都市部偏在を思うと,さもありなんです。 ところで,各県の大学進学率と強く関連しているのは,県民所得のような経済指標だけではありません。今回は,他のメジャーな要因をも考慮した分析をしてみようと思います。 私は,47都道府県の大学進学率の要因として,県民所得の他に2つを考えました。高学歴人口率と大学収容力です。地域に大卒人口が多いことは,子どもの進学をプッシュするクライメイト要因に
前々回の記事では,中学校教員の勤務時間の国際比較をしましたが,日本の教員は世界一働いていることを知りました(うち多くは事務などの雑務)。 しかるに教員といっても,一枚岩の存在ではありません。男性もいれば女性もおり,若年層もいれば高年層もいます。過労に陥っているのは誰か。こういう問題を考えることも必要になります。いわゆる,属性別の分析です。 今回は,中学校教員の年齢層別の勤務時間をみてみましょう。日本は年齢による役割規範が強い社会ですが,長時間勤務の問題をとっても,年齢によって様相は違うと思われます。 データは,このほど公表された国際教員調査(TALIS 2013)です。本調査では,対象の中学校教員に対し,週当たりの勤務時間を尋ねています。自宅での教材研究なども含む,広義の勤務時間です。実際の時数を記入してもらう形式ですが,入力段階のローデータを加工して,10時間ごとの6カテゴリーにまとめま
以前に比して薄れているとはいえ,わが国では未だに「男の腕一本で一家を養うべし」というジェンダー観念が蔓延っているように思います。女性が結婚相手に求める年収の水準が高いという事実が,これを物語っています。 http://tmaita77.blogspot.jp/2014/02/blog-post_7.html しかし,世界を見渡せば,そうではない社会も存在することでしょう。夫がいる働き盛りの女性のうち,「主たる家計支持者(chief wage earner in my house)」はどれくらいいるか。今回は,この指標の国際比較をしてみようと思います。 資料は,2010年から14年に実施された『世界価値観調査』です。私は,本調査のローデータの多重クロス集計を行い,30~40代の有配偶女性の数を国ごとに明らかにしました。日本の場合,その数301人です。 http://www.worldvalu
正規就職率。いわゆる正社員への就職率ですが,この指標に関心を持っている学生,親御さん,教育関係者はさぞ多いことでしょう。 最近では,文科省『学校基本調査』の進路統計でも,就職者を正規と非正規に分けて集計しています。就職率が高いといっても,「ほとんどが非正規なんじゃねーの?」と突っ込まれますしね。まあ,精緻な統計が作成されるのはいいことです。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm この恩恵を利用し,今回は,大卒者の正規就職率という指標を計算してみようと思います。性別や専攻別の数値も出してみることにしましょう。正規就職率の出し方ですが,私は,以下の計算式がいのではないかと思います。 (正規就職者数+臨床研修医数)/(卒業生数-進学者数-専門学校等入学者数) 就職の意思のない大学院進学者や専門学校入学者は,分
生涯未婚率という指標をご存知でしょうか。読んで字のごとく,生涯,未婚の状態にとどまる者がどれほどいるかです。 これは,全人口の人生を死ぬまで追跡して出すような,込みいったものではありません。生涯未婚率としては,50歳時点の未婚率が用いられます。この年齢以降は,結婚する者はほとんどいないであろう,という仮定に立つわけです。 なお,多くの官庁資料の年齢統計は5歳刻みのものですが,5歳刻みの統計から生涯未婚率を出す場合,40代後半と50代前半の未婚率を平均するという便法がとられます。 私は,この方式に依拠して,男女の生涯未婚率を職業別に計算してみました。こういうデータは見かけないので,興味を持った次第です。正規・非正規の影響を除くため,正規職員男女の率を出すこととします。資料は,2012年の総務省『就業構造基本調査』です。 http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2
現在では同世代の2人に1人が大学に進学しますが,大学進学率は,この2年間続けて下がっている模様です。2011年春が51.0%,2012年が50.8%,そして2013年が49.9%なり。 これは浪人込みの進学率ですが,浪人込みの率なんて出せるのか,という疑問もあるかと思いますので,当局の計算方法を説明いたしましょう。 大学進学率とは,同世代のうちどれほどが大学に進学したかという指標です。ベースは高卒者ではありません。文科省の『学校基本調査』からこの値を計算する場合,当該年に大学に入った者の数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者)で除すことになります。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分子の大学入学者数には,より上の世代(いわゆる浪人生)も含まれますが,当該年の18歳人口から
前回は,東京都内の地域統計を使って,幼子がいる母親の就業率と保育所供給率の関連を明らかにしました。分かったのは,両指標の間に強い正の相関関係がある,ということです。 ところで,東京に土地勘がなく,いまいちピンとこなかった方もおられるのではないでしょうか。また,東京という局所(大都市)でいえることがどれほど普遍性を持つのか,という疑問もあろうかと存じます。 そこで今回は,分析の次元を引き上げて,47都道府県のデータを用いて同じ分析をしてみようと思います。保育所の供給が多い地域ほど,幼子を抱える母親の就業率は高いか。県レベルのデータをもとに,追試をしてみましょう。 私が住んでいる東京都を例に,指標の計算方法を説明します。まずは,幼子を抱える母親の就業率です。2010年の『国勢調査』によると,都内に居を構える核家族世帯のうち,6歳未満の幼子がいる世帯は418,670世帯です(末子年齢による)。こ
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