米アップルがスマートフォン(多機能携帯電話)に使う中小型液晶パネルの日本での投資先を東芝に絞り込んだことが明らかになった。東芝と並行してアップルが交渉していたシャープは候補から外れた。震災で一国への投資集中のリスクが顕在化したほか、液晶製造装置の調達難、韓国メーカーの巻き返しなど複数の要因が重なったためと見られる。シャープは大口顧客として期待していたアップル向けの需要がなくなるほか、テレビ用大型パネルも過剰在庫で堺工場(堺市堺区)などの生産を休止しており、液晶事業の戦略再構築が急務になる。 アップルは画面の高精細な表示に有利な日本の液晶技術に着目。来年発売予定の「iPhone(アイフォーン)」の新モデルに採用する準備を進めている。東芝とシャープがそれぞれ新設する生産ラインにアップルが約1000億円ずつ直接負担する枠組みだった。 シャープは製造装置を中国に売却し遊休設備になっている亀