リーマンショックに端を発する不況の大波は日本の製造業を直撃し、多数の「派遣切り」を生んだ。正社員と非正社員の間に横たわる圧倒的な格差。この矛盾を改善するため、派遣という雇用形態を再び禁止しようという動きが進んでいる。だが、人事コンサルタントの城繁幸さん(35歳)は「派遣禁止は失業者を増やすだけで、根本的な解決策にはならない」と強く批判する。 派遣禁止は失業者を増やすだけ ――各党のマニフェストを採点したそうですね。 城 労働・雇用分野について採点しましたが、あまりにも点が低い。どの政党も100点満点の20点以下。みんな赤点です(笑)。僕の採点で一番高いのは自民党ですが、雇用に関して何もしないからにすぎません。他の政党はかえって失業者を増やすような政策を出しているので、減点されています。 ――減点対象となっている政策とはなんですか? 城 一番は派遣禁止ですね。社民や共産はもともとそういう主張
豪華な祭壇、たくさんの生花、おいしい料理と追加していくと、知らず知らずのうちに葬儀が高額になり、後日送られてきた請求書を見て青ざめるというのはよくある話だ。それもこれも料金が不透明なためで、なかでも祭壇は「ブラックボックス」と言われている。ようやく最近、わかりやすい料金体系を売りにしたベンチャー企業もいくつか出現。さらに大手小売のイオンも葬儀ビジネスに参入し、葬儀業界が大きく変わりそうだ。 3年後に年間葬儀件数の10%を目指す イオンは2009年9月から、全国の系列スーパーに葬儀案内パンフレット「安心のお葬式」を配布し、年中無休・24時間対応のコールセンターを設置する。イオンが行うのは受注のみで、特約店契約を結んだ葬儀会社400社に引き継ぐ。 6つのプランを用意し、基本料金は全国一律29万8000円~148万円に設定した。 同社広報担当者は事業を始める理由について、 「故人ともっとも親しか
新型インフルエンザ発生時に検疫で感染者の侵入を防ぐため、日本で実施された「水際対策」について、「効果はほとんどない」との分析をオランダ・ユトレヒト大の西浦博研究員がまとめた。ウイルスの毒性に応じた柔軟な対応が重要といえそうだ。近く発売される月刊誌「科学」9月号(岩波書店)に発表する。分析では感染者が航空機に12時間乗って日本に入国すると想定し、入国検査による感染者の侵入確率や流行発生時期を分析した。 その結果、潜伏期間は平均1.4日▽全感染者のうち約6割が発病▽簡易診断キットで検出できる感染者は6~7割--などの条件から、感染者の7割以上の侵入を防げないことが分かった。 また、入国する感染者総数が10~60人と少ない流行初期に、水際対策が国内の流行開始時期に与える影響を推計したところ、開始時期の遅れは半日未満にとどまった。 日本政府は4月下旬に海外で流行が始まった直後、機内検疫や感染者と同
社会福祉大国スウェーデン。税金と社会保険料負担が国内総生産(GDP)の50%という巨大な公共部門を抱え、年金や児童手当、傷病手当などの現金給付を国の事業(社会保険)として行い、全ての国民に平等で良質の生活を保障する社会を実現した。しかし2008年以降の世界経済危機は、スウェーデン・モデルの根幹を揺るがし始めている。福祉大国の「素顔」を現地から報告する。 スウェーデンの教育は、私立も含めて小学校から大学院まで無料である。昨年、長男が小学校に入学したところ、教科書や教材はもちろん給食まで無償だし、個人が使うノートさえ支給された。コミューン(自治体)によっては、通学定期ももらえるという。 「学校で使う鉛筆や消しゴムを買わなくていいのか」「長男はなぜ手ぶらで通学しているのかなあ」 と不思議に思っていたら、学用品は全て学校側が用意していた。1クラスは十数人程度で、教室には楕円形の大きな机。その真ん中
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