2010年4月5日 田中 宇 2008年秋、リーマンブラザーズが倒産し、レバレッジ金融の大崩壊が始まった後のタイミングで、私は「操作される金相場」という記事を書いた。私の記事の多くは、インターネット上で日々公開されている英文情報などをもとにしている。この時期、ネット上で「金相場は価格抑止の方向で操作されてきたが、この構図はいずれ破綻し、金は高騰する」という分析が多く流れ、それを受けて私は自分なりの分析を加えつつ記事を書いた。 (操作される金相場) 私の記事の予測には当たり外れがあるが、予測の多くは私の独断ではなく、記事を書いた時期に、そのような予測を感じさせる言説が英文ネット界に流れていることが多い。諜報界で「ノイズ」「チャット」と呼ばれるものとして、盗聴対象のテロ組織関係者の電話の会話などで、特定の種類のうわさ話や雑談が交わされる量が増えるとテロが起きる兆候という見方があるが、それと似た