少し前にお会いした、元コンサルタントの方の話だ。 彼は、「自分は特に優秀ではない」と悟ってから、一気に成果が出るようになった、という。 だが、優秀ではない、ということと、成果が出る、とは相反するように見える。 「一見、逆説的に聞こえるけど」と問うと、彼は 「いや、重要だよ。」という。 「僕は自信家で、とにかく人に勝ちたかった。出世、給料、有名になることも含めて。」 「野心があるのは悪いことじゃないと思うけど。」 「うん、でも、勝てないんだよね。すごい人ってたくさんいるから。例えば、先輩が作る提案書を見る。出来がいいし、何より発想が突き抜けてる。わかるんだよね。あ、自分の作ったものは十人並だなって。結局、自分にはそれほどの才能がないってこと、嫌ってほどわかった。」 「なるほど」 「でも、なんとかして追いつけるんじゃないかと、本を読んで、セミナー出て、でも、勉強すればするほど、先輩が遠ざかる。
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