2015年度の都市対抗を制した社会人の名門・日本生命。18年ぶりの優勝劇の大きな要因に挙げられたのが、本戦5試合で失策1という高いディフェンス力だ。中でも、スピードと確実性を兼ね備えた二遊間の守備力は社会人球界随一。そのハイレベルな技術が築かれた背景を探るべく、大阪府吹田市に位置する日本生命グラウンドを訪ねた。 「テーマは守備の基本ですか。難しいテーマですねぇ…。一口に基本と言っても、人によっていろんな考え方がありますからね」 インタビュー開始早々、苦笑いを浮かべ、そう語ったのは日本生命を率いる十河 章浩監督だ。現役時代は名内野手として名を馳せ、日本代表に選出された1992年のバルセロナ五輪では正遊撃手として活躍。監督となった現在も内野手の指導は十河監督が行っている。 「ゴロの捕球方法にしても、私の考える基本は一般的に世間で言われている基本とは違うと思います。世間でよく言われるゴロ捕球の基