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ブックマーク / abz2010.hatenadiary.org (41)

  • 分かる人にしか分からない金融政策は機能するのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    最近の二つのエントリー(1,2)に関して、コメント欄でerickqchan様とかなり色々と議論させていただいた。 erickqchan様は以前からサムナーの論文やブログを読みこんでおられ、むしろ筆者の誤解に対する様々な指摘を頂いたという方が適切かもしれないが、結局のところ筆者は理解が深まった部分はあったものの、エントリー内で指摘したリフレ政策、名目GDP目標政策への懸念 は払拭されなかった。 リフレ政策は「分かる人には分かる」ものらしいが、その線で行くと筆者は「分かる人」ではないらしい。 ただ、仮に理論的にリフレ派が正しいとしても、その理論が「分かる人にしか分からない」のであれば、その様な政策は機能するのだろうか? 市場メカニズムの優れている点は経済を構成する最小単位である所の「個人」はその様な理論を「分かる」必要が全くないことである。人々は目先の個人的な効用の増大をとりあえず目指していれ

    分かる人にしか分からない金融政策は機能するのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/03/31
    しかし、インフレで雇用が産まれるなんて、どこのエイプリルフールだ...
  • サムナーの名目GDP目標がおそらく機能しない理由 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先日のエントリーのコメント欄でerickqchan様とサムナーの名目GDP目標政策に関連する議論をさせていただいたのだが、コメ欄では十分に書ききれなかった筆者の同政策に対する根的な疑念をまとめてみた。 サムナーの名目GDP目標政策はインフレターゲットの進化版?のようなもので、中央銀行が名目GDP(成長率)をターゲットとして金融政策をとれば、景気の変動を最小化し、安定的な経済成長を達成できると言う仮説である。 (詳細についてはサイト「道草」にerickqchan様によるサムナーのブログの主要なエントリーの翻訳があるので、そちらをご参照ください。) 名目GDP成長率は「実質GDP成長率+インフレ率」で表されるため、この政策を採用した場合は実質GDP成長率が下がったときにはインフレ率を上げ、実質GDP成長率が上がったときにはインフレ率を下げるということになる。 この政策には確かにインフレターゲ

    サムナーの名目GDP目標がおそらく機能しない理由 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/03/28
    ※欄のリフレ派なんか嫌な感じ。
  • リフレ政策の正体 (カンタンな解説) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    前回に引き続き「動的AS-ADモデル」を用いての考察をもう少し続ける。 尚、erickqchan様よりこの動的AS-ADモデルの説明箇所がCowenとTabarrokによるマクロ経済学の教科書のサンプルとして公開されているのを教えていただいたのでリンクを貼っておく。非常に面白いモデルなので、興味がある人はどうぞ。筆者もとりあえず廉価版を注文してみたが読みきる自信がないので是非翻訳が出て欲しいものである。 Modern Principles: Macroeconomics Tyler Cowen  (Author), Tabarrok Alex (Author) ではこの「動的AS-ADモデル」で、リフレ政策はどう説明されるだろうか。 インフレ目標とNGDP目標の違いはあっても基的にリフレ政策が目指すのは以下の形であろう。 簡単に言えばショックで下方へスライドした総需要曲線を、リフレ政策に

    リフレ政策の正体 (カンタンな解説) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • 日本型デフレの正体 (カンタンな解説) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    これまでのエントリーではどちらかと言うとミクロ的な視点での考察が多かったが、今回は「動的AS-ADモデル(参照1)」で使われる図を用いて筆者が日型デフレの正体と考えているものを少しマクロ的な視点から説明してみたい。(素人のマクロ理解などに興味がある人がいるかどうかは疑問であるが、、) 動的AS-ADモデルとは横軸が実質経済成長率、縦軸がインフレ率のグラフ上でAS(総需要 Aggregate Supply)、AD(総供給 Aggregate Demand)の関係を示したモデルであり、代表的な図は以下のようなものとなるようである。 図中の長期供給曲線(LRAS: Long Run AS)は文字通り長期的な供給能力の伸び率を示すものであり、潜在的な成長率をあらわしていると考えられる。長期的、均衡的なものであるため少なくとも短期的にはインフレ率には左右されない。 一方で短期供給曲線(SRAS:

    日本型デフレの正体 (カンタンな解説) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • インフレ懸念が高まる中でのリフレ派の主張について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先日のエントリーで有事においても「平常運転」なリフレ派の先生方の主張を紹介したが、飯田教授は震災後に起こりうる状況を踏まえて少し違う形でリフレ政策の推進を主張されている。 インフレによるデフレに警戒せよ! 飯田泰之 http://synodos.livedoor.biz/archives/1709155.html 昨日来、小売店で料品・日用雑貨のパニック的な買い占めにみみられるように、短期的には生鮮・料品を中心とした消費者物価の上昇が見込まれます。北海道に次ぐ我が国の糧基地である東北の罹災は、より長いスパンで見ても料品価格の高止まりを招くでしょう。さらに現在の混乱収拾の後には、火力発電所むけのエネルギー需要、復興事業におけるエネルギー・資材需要の増大が予想されます。 人々の「体感インフレ率」はこれらの料品・ガソリン価格に大きく左右されます。年間支出総額から考えるとわずかな金額であ

    インフレ懸念が高まる中でのリフレ派の主張について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/03/18
    普通は、こっちのブログ記事のような考え方だよな... /失業率減少とインフレは直接には関わらないと思うけれど。
  • 今は「市場メカニズム」の出番ではない - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    今回の巨大地震と津波で被災された皆さまには心からお見舞いを申し上げますと共に亡くなれた方々のご冥福をお祈りいたします。 又、このような事態に至ってもあらゆるレベルであらゆる人々がその職務を全うすべく死力を尽くされていることは遠く日を離れていてもはっきりと伝わってきます。 警察・消防・自衛隊・交通機関・インフラ会社・その他被災地の為に努力をされているあらゆる企業・団体の方々には深い感謝と敬意を示すと共に、その様な方々が職務に殉じるようなことが絶対に起きない様にと願っております。 Pray for Japan! http://prayforjapan.jp/tweet.html - その様な中、災害への対応について「経済学的?」見地からの意見がちらほら出てきたようであるが、その中にこういう時でも(こういう時こそ?)「市場メカニズム」は有効であるという意見がある。 はてなの人気エントリーで目に

    今は「市場メカニズム」の出番ではない - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/03/15
    心に留め置くべき文章。
  • リフレ論は本当にマクロ経済学の理論なのか? (コメントへの返信) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    ブクマ及びコメント欄で頂いたコメントへの返答をまとめてみました。 しかし筆者の文章はコメントへの返信すら確かに「冗長」だな、、、、 API様 個別価格の変化については一般均衡理論もしくは価格メカニズムを勉強すればわかることだと思うけど。ノビーでさえ理解してるのに・・・。もう少しちゃんと経済学を勉強してくれよん!! 経済学に不勉強なのはご指摘の通りですが、この件についてはそういう理論(仮説?)が存在することはともかく、実体を見ればとてもそうとは思えません。 例えば高橋教授も耐久消費財の価格が下落していること、そしてその要因の一つは人口動態である事は恐らく認めておられます(注1)。そして教授自ら示された耐久消費財と非耐久消費財の価格動向の図を見ると、耐久消費財の価格が下落しつづけている一方で非耐久消費財は±1%あたりを中心に推移していますので実際の「物価」の下落・停滞を牽引したのは耐久消費財の

    リフレ論は本当にマクロ経済学の理論なのか? (コメントへの返信) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • リフレ論は本当にマクロ経済学の理論なのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    最初に誤解の無いように書いておくと、来のリフレーション理論は言うまでも無くマクロ経済学の理論である。 但し、一部のリフレ派が唱えているリフレ論の多くは質的にはマクロ理論というより還元論と陰謀論のミックスに過ぎないというのが筆者の理解であり、以降のエントリの中の「リフレ論」はそういった「俗論的リフレ論」を指すものと理解いただきたい。 - リフレ派はその理論に向けられる批判への反論としてよく「マクロとミクロの区別がついていない」と主張するが、そもそも彼らのリフレ論はマクロ経済学の理論なのだろうか?(もちろんリフレ論も色々あるので、以降では上念氏や高橋氏等の論客がメディアやネット等で唱えるリフレ論(俗論的リフレ論?)を指すこととする) もちろん「合成の誤謬」のようにミクロの視点で正しくてもマクロの視点ではかならずしもそうならないケースがあることは確かであるが、リフレ派が使う「マクロとミクロの

    リフレ論は本当にマクロ経済学の理論なのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • 「日銀陰謀論」の正体 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    ある経済評論家なり大学教授なりが日銀の政策を批判した場合、どちらが支持されるだろう? その批判が高度に理論的、学術的なものであれば、一般人の理解の範囲を超えているはずなので、余程その人が経済学者として高名な場合や、学会のコンセンサスが日銀批判でほぼ固まっている場合を除けば、最適な専門家として選ばれた日銀総裁の政策判断が(消極的に)支持される事になる可能性が高い。 そしてこの場合、教科書レベルでわかるような誤りが日銀の政策にあるというような批判をしてもまじめに受け取る人は殆ど居ないであろう。 乗数効果がわからない財務大臣は居ても、経済の教科書レベルの話がわからない日銀総裁が居るとは常識的には考えられないからである(注)。 ところが、これに陰謀論が加わると話は変わる。 日銀が陰謀によってとるべき金融政策を歪めている、というような話がいきわたり始めれば金融政策に関する問題が理論の正しさではなく日

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  • イギリスはインフレ? → インフレです!(訂正)スタグフレーションかもしれません・・・・ - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    最後に実際のデータを少し見てみる。(といっても以前のエントリーで使用したグラフの使い回しであるが、) まずリーマンショック前の2008年1月から2010年末までの日英両国のインフレ率をプロットすると以下の通りとなる。 http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20110129/1296346704 又、高橋洋一教授がDiamond Onlineの記事で紹介されていた日米英の「期待」インフレ率の推移は以下の通りとなっている。 高橋教授はこのグラフに対して、 すでにリーマンショック以降、米国では予想インフレ率が上昇したと書いたが、それは他の先進国でも同じだ。実は日でも少し予想インフレ率は上昇している。その程度はどの程度金融緩和したかに依存している(図2参照) http://diamond.jp/articles/-/11260?page=3 と説明されているが、少なくともB

    イギリスはインフレ? → インフレです!(訂正)スタグフレーションかもしれません・・・・ - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • イギリスはインフレ? → インフレです! (2) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    一応、内容についても検証してみる 見過ごせない記事があった。朝日新聞2月11日付朝刊に載った「英インフレ、生活直撃」という見出しの記事だ。冒頭、「世界的な料や原油の値上がりで英国のインフレが進んでいる。昨年12月は消費者物価上昇率が前年同月比で3・7%に達し、先進国では異例の高さになった」との書き出しで、「英国の中央銀行であるイングランド銀行はインフレを2%以内に抑えるのを目標としているが、これを13カ月連続で上回った」と報じている。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2135 まず、イングランド銀行のインタゲについて書いた部分を見てみる。 もう一点、「イングランド銀行はインフレを2%以内に・・・」の部分も不正確だ。同行の目標数値は、インフレ率を1〜3%(平均で2%)以内に抑えること。このことは、わざわざイングランド銀行に取材しなくても、ホームページ

    イギリスはインフレ? → インフレです! (2) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • イギリスはインフレ? → インフレです! - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    週刊現代に連載されているドクターZは知っているというコラムに「イギリスはインフレ?」という記事が載っていた。 氏によると「金融緩和をした英国はインフレで苦しんでいる。」というのは事実ではなく、日銀のキャンペーンに乗せられたミスリーディングな記事であるらしい。 それに即座に反応したのが上念氏で 「イギリスがインフレで苦しんでいる」という奴は工作員ですね。マジでコミンテルンが生きてるんじゃないかと邪推したくなる。 RT @shinchanchi: 「イギリスはインフレ?」 #defle http://ow.ly/1s7ms5 http://twitter.com/Smith796000/statuses/43823612968435712 と言い切っている。 筆者の周りのイギリス人にも聞いてみたがみな一応に口をそろえて「イギリスはインフレだ」と断言している。 イギリス人全員が工作員だとでもいう

    イギリスはインフレ? → インフレです! - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/03/07
    「コミンテルン(キリッ)」/インフレが生活苦につながったという実体験がないから認識ができないだけなんだろうけど。
  • みんなの党の予算修正案にみる 新自由主義とリフレ政策の関係 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先の選挙で躍進を遂げたみんなの党は「新自由主義」的な思想をベースにしていると思われるが、同時にリフレ政策を推進していることでも知られている。 筆者にはこの組み合わせ(新自由主義とリフレ政策)が全くしっくり来なかったのだが、先日みんなの党が提出した予算修正案(以下)の過激さを見て、ある考えが浮かんだので書いてみる。 みんなの党、予算修正案まとめる 行革で歳出大幅カット 産経新聞 2月25日(金)19時31分配信 みんなの党は25日、子ども手当廃止や国会議員と公務員の人件費削減などで歳出を大幅にカットした平成23年度予算案と予算関連法案の修正案を発表した。政府案が一般会計総額92兆4千億円に対し59兆8千億円の緊縮予算で、国債発行額も政府案の44兆3千億円に対し17兆7千億円に縮減した。現行40%の法人税率を20%まで引き下げて経済成長を目指す。 このニュースだけでは詳細までは分からないのだが

    みんなの党の予算修正案にみる 新自由主義とリフレ政策の関係 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/03/01
    コメント欄参照 http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20110228/1298947948#c1299246410 /追記・ネオリベリフレ派を利用できるマキャベリズムを貫ける覚悟ができるか。
  • 白川日銀総裁とバブル論について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先日のエントリーの最後に ちなみに以前keiseisaiminの日記様で日銀の役割についてコメント欄で少し議論させていただいたことがあるのだが、そのときの議論についてhimaginary様がブクマで himaginary ※欄でabz氏が言うように白川氏がバブル予防を格的な課題とするつもりならば、まずは80年代後半の日の金融政策とバブルの関係についての徹底的な調査研究を日銀の組織を挙げて行なうべきではなかろうか。 とコメントされているのを見かけた。 白川総裁はその目標の一つである「金融システムの安定」の為にバブル予防を主要な課題の一つとしていることを何度も講演等で話しているし、80年代後半の日の金融政策とバブルの関係についても、その後のリーマンショック後の金融危機についても十分に検討した上で、「マクロプルーデンス」な観点を重要視する金融政策を行っていると筆者は理解しているのだが、日銀

    白川日銀総裁とバブル論について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • バブルの要因と対策について - 白川日銀総裁の講演より - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    リフレ派が批判の対象とすべきは一義的には日銀であるはずだが、実際に日がデフレに陥ったことの結果責任と、リフレ派が正しいと考える政策を行わないことの2点をもって日銀を「非難」することはあっても、白川総裁が実際に発言している内容についての理論的な「批判」が行われることは意外と少ないように感じる。 よく見られるのはとにかく「お金を刷ればデフレはたちどころに止まる」はずなのに、という理解に基づいた帰納的な批判か、陰謀論に根ざした非難・中傷の類であり、そもそも白川総裁が実際に講演等を通じて話している内容がリフレ派の検証の対象となっていること自体あまり無い。 先日ブクマで頂いたコメントをきっかけに、白川総裁が昨年11月23日に香港(Bauhinia Foundation Research Centre)で行った講演の邦訳を読んでみたのだが、短いながらも非常に示唆に富んだ内容であったので、その中で「バ

    バブルの要因と対策について - 白川日銀総裁の講演より - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • スタグフレーションはありうるんじゃないか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    agoraで池尾和人教授が「スタグフレーションはあり得るのか」と題した記事を投稿されている。 その中で ただし、逆にいうと、実質的に経済全体の所得が減っているにもかかわらず、従前と同じ実質的な生活水準を維持することを求められるような制度的保護や交渉力を国民のかなりの部分が有しているのでなければ、コストプッシュ型のインフレーションは起きえない。そして、コストプッシュ型のインフレーションが起きえなければ、(経済停滞の下では定義的にディマンドプル(demand pull)型のインフレーションはありえないので)スタグフレーション(不況下のインフレ)も起こりえない。単なる経済停滞があり得るだけである。 http://agora-web.jp/archives/1250154.html として、日ではスタグフレーションは起こりえないとの説明を示されている。 (記事の後半には特定の条件下でのスタグフレ

    スタグフレーションはありうるんじゃないか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • 米国の信用緩和(QE2)と日本のリフレ政策の違いについて - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    コメント欄にてmさまからQE2についてはどう考えているのか?とご質問を頂いたので、返信を書いたのだが、相変わらず文章が長くなりすぎてしまったので、こちらに載せておきます。 頂いたご質問 ちょっと質問なんですけど、FRBはものすごい量通貨供給してますよね。QE2とか言って。これには反対なんですか?これもリフレ派って批判するんですか? 通貨なんて相対的なもんなんだからアメリカがどんどん供給したら円高になってデフレが進みそうだけど。 まずFRBの行った量的緩和(信用緩和)については、第一弾(QE1)は金融危機によるパニック的な流動性不足に対する応急処置として必要なものだったと考えています。 リフレ派が非難する日銀も金融危機時に量的緩和を実施することは否定していませんし、実際にやりました(むしろこの非伝統的な手法の有効性を実証したのは日銀だったと思います。) 問題のQE2については、基的にはやは

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    junshoku-159
    junshoku-159 2011/02/19
    コモディティ価格が高くなることは確実に生活に響きますからね
  • デフレ均衡は何が均衡しているのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    前回に続いて、フィードバック・ループの観点からデフレについてもう少し考察してみる。 現在の日経済に至る転換点をプラザ合意後の円高と考えると、円高はフィードバックループとして 円高 → (外貨建てでの)人権費・物価高騰 → 輸出減・国際収支悪化 → 円安 というネガティブ・フィードバックを持つ一方で、間接的に 円高 → (実質)人権費の高騰 → 産業の空洞化→ 失業率の増加 → 景気悪化 円高 → 内外価格差拡大 → 輸入増→ 内外価格差是正→ デフレ → 景気悪化 景気悪化 → デフレ・失業率の増加 → 景気悪化 というポジティブ・フィードバック・ループを国内に発生させることになると考えられる。 国際貿易を舞台としたネガティブ・フィードバックが強く働けば、円は再びプラザ合意前の水準へと回帰していき、国内経済におけるポジティブ・フィードバックが制御不能になれば大不況、デフレスパイラルに落ち

    デフレ均衡は何が均衡しているのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • リフレ政策に関するポジティブ・フィードバック・ループのリスクについて - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    ポジティブ・フィードバック(正帰還)とはある原因によって系に変化が生じた時に、その変化が原因に影響を与えることによって更に変化を拡大する過程であり、この過程では変化は自律的に増大し続けることとなる。 経済における代表的なものとしてはバブルの発生・崩壊や、インフレ・デフレスパイラルがあげられる。 資産価格の上昇 → 資金の集中 → 資産価格の上昇   (バブル) 資産価格の下落 → 資金の逃避 → 資産価格の下落   (バブル崩壊) インフレ → 景気過熱 → インフレ デフレ → 景気後退 → デフレ ポジティブ・フィードバック・ループは放っておいてもどんどん一方向へ加速していき、通常ある地点で破綻してしまう(例:バブル崩壊)。よってポジティブ・フィードバックが働く系は非安定的である。 これとは逆のネガティブ・フィードバック(負帰還)も存在し、こちらは何らかの要因である水準から外れた場合に

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  • リフレ政策+ワルラスの法則+貨幣数量説 = スタグフレーション? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先日書いたワルラスの法則に関する記事は、マニアックなテーマと素人の考察、そしていつものように長すぎる文章という3重苦を乗り越えて意外なほど読んでいただけたようなので、長くなりすぎて前回のエントリーから削った部分を書いてみたい。(削っても長すぎだったわけだが、、) 飯田先生の説明を元にワルラスの法則を図示すると以下のような感じになるはずである。 [:W500] 資産市場の超過供給については個人的には疑問に思う点(注)があるのだが、ここでは消費財と同じと考える。 この図では消費財と資産にそれぞれ10,000の超過供給が発生しているので、トータルでの貨幣の超過需要は40,000となる。 では貨幣の供給を40,000増やすとどうなるだろうか? まず一つの可能性としては飯田先生もコメントされていたように流動性の罠に陥り、貨幣が退蔵されてしまうというケースが存在するだろう。 ちなみ貨幣の超過需要はある

    リフレ政策+ワルラスの法則+貨幣数量説 = スタグフレーション? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/02/12
    スタグフレーションターゲット?