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ブックマーク / abz2010.hatenadiary.org (41)

  • クルーグマンの日本論再考("Rethinking Japan")は何を再考したのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    リーマンショック後に世界中で繰り広げられた金融緩和がかなり控えめに言っても期待していたほどの効果があげられなかったことについて、推進派、否定派双方からの議論が盛り上がっているようだが、その中、推進派(特に日のリフレ派)が教祖のような扱いをしていたクルーグマンがあっさりと梯子を外して話題になっている。 このクルーグマンの日論の再考("Rethinking Japan")について、その意味するところを少しでも小さく見せたい一派は、「クルーグマンはもっと高いインフレ率を主張しているだけだ!」とか、「単に財政政策ももっとやれと言っているだけだ!」と強弁したりもしているようであるが、普通に読めばそのように片づけられる話ではない。 そこでエントリーではクルーグマンの日論再考は何を再考したのかについて少しまとめてみた。 まず1998年の有名な論文にも示されたクルーグマンのオリジナルの日論はざっ

    クルーグマンの日本論再考("Rethinking Japan")は何を再考したのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2015/11/19
    リフレ派にとって青天の霹靂、と。
  • 人口問題とデフレについて - どこに問題を設定すべきか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    夏休み明けで幾つか書こうと思っていたネタがあるのだが、まずは何度か考察してきた人口問題とデフレの関係にについて、yutakarlson104氏より「まともな経済理論では、デフレは人口減少と全く関係ない」とのコメントを頂いたので、紹介された「まともな経済理論」について考察してみる。 以下の図はyutakarlson104氏より紹介いただいた御自身のブログ(参照)の中でインフレ・デフレが起こるルートとして説明につかわれているものである。 http://yutakarlson.blogspot.jp/2011/10/blog-post_26.html 単純にいえば「景気が悪化するからデフレになり、デフレを放置すれば景気がさらに悪化する(或いはその逆)」というのがこれらの図が示唆する所と言えるだろう。これはスパイラル的なデフレ・インフレへの「まともな経済理論」ではあるかもしれないが、この「まともな

    人口問題とデフレについて - どこに問題を設定すべきか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/09/05
    物価上昇から個人消費増加というのがつながりが全くわからぬ『まともな経済理論』...
  • なんだかなぁ、、 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    リフレ派とはなんぞや、みたいなエントリーが幾つか出ているが、まあそれとは直接は関係ない話。 今年の2月頃からエントリーのカテゴリーがなぜか「おもしろ」に分類されるようになって、不思議に思っていたのだが、あまり深くは気にしていなかった。 しかし先日たまたま読んだ記事で、カテゴリーを変更できることを知り、ためしにやってみようかと思ったら、先客がいた(笑)。 どうもエントリーを書いた人間でなくても誰でもカテゴリーの変更ができる仕様らしい。 なにがその人を駆り立てているのか分からないがどうやらはてながつけたカテゴリー(政治・経済)をせっせと「おもしろ」に変えてくださってたらしい。 まあ普通に考えればガイドライン違反。 という訳でコメントにはもちろん何を書いてもよいですがカテゴリー変更はやめてください>某氏 [追記] 気が付いたら1年以上昔のエントリーも含めブックマークの多い順に10番目まで「おもし

    なんだかなぁ、、 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/07/06
    なるタグがあっても良いはず。
  • コモデティ価格の高騰は現物の需給だけで説明できるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    前回のエントリーにつづき、今回は逆の視点?から、2000年代中頃以降のコモデティ価格の急騰が投機の拡大と無関係にほぼ現物の需給だけで決まっているというような主張に関して、その主張が現実のデータと整合性があるのかどうか考察してみたい。 ここでまず注意すべきは単純なデータ評価ではその価格高騰が需要によるものか投機によるものか判断するのは難しいということである。 これは投機を仕掛ける側の戦略を少し考えてみれば分かるはずである。 もし単純なデータ解析から「現在の先物市場での価格高騰が投機によるものであり、故に近い将来破綻する可能性が高い」ということが簡単に分かるようならその様な投機は成功する見込みが低い。 逆に、石油のようにいずれは枯渇しその過程においては希少性が高まって価格が青天井に上昇する恐れがあると多くの人間が考えるような対象であれば投機の仕掛けは成功しやすいわけで、その意味で新興国の成長に

    コモデティ価格の高騰は現物の需給だけで説明できるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/06/19
    何でもかんでも先物取引にしやがるという愚。
  • 金融政策は何の「期待」に働きかけるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する コメント:リフレ理論の是非についてならともかく、リフレ派がど

    ネットで金融政策に関する議論を少しでも眺めたことがある人にとって、「金融政策は期待に働きかける政策である」みたいは話は何度か(という嫌になるほど)目にしたことがあるだろう。 コメ欄から引用させてもらえば 金融政策の一番の経路は期待への働きかけである、という基中の基さえ理解していればわかりそうなもの。インフレ予想の高まりが(価格が粘着的な市場の実質価格を低下させるなどを通じて)デマンドを喚起し、そのデマンドによって実際のインフレ率がプルされる、それだけ。 ということになる。 しかしながらこの「基中の基」らしいロジックも現在のような状況となると何を指しているのかはっきりしなくなる。 金融政策がゼロ金利下においても(手段を選ばなければ)インフレを誘発しうるという主張は恐らく正しいであろう。 この点については「バーナンキの背理法」など様々なレトリック?を用いてリフレ派が必死になって主張して

    金融政策は何の「期待」に働きかけるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する コメント:リフレ理論の是非についてならともかく、リフレ派がど
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/05/13
    ふむふむ。
  • インフレを求める政府は酒を求めるアル中と同じ? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    インフレの害を説明するにはアルコールに例えるのが分かりやすい。 アル中が酒を飲み始めたとき、まずやってくるのは程よい酩酊感である。 悪い効果は次の日の朝になってはじめて現れる。 二日酔いで吐き気と共に目覚めたアル中はしばしばその苦しみを和らげるために更に酒に手を出すことになる。 一国の物価がインフレを始めたときも、最初にやってくる効果は良いものに見える。 増え続けるマネーは、それにアクセスできる人間 - 特に政府 - にとっては誰の支出も減らすことなく自らの支出を増やすことを可能にする。 雇用は増え、経済も上手く回り、誰もが幸せになれる、そう、”最初のうちは”。 これらがインフレのよい効果である。 しかし、支出の増加は次第に物価を押し上げ始める。 労働者は彼らの賃金では、たとえ額面では上がっていたにしても、少しのものしか買えなくなるだろうことに気付く。 企業もコストが上がったことによって物

    インフレを求める政府は酒を求めるアル中と同じ? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/02/23
    そうか…そう喩えるのか…
  • 日銀がインフレ目標導入に消極的な理由 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    アメリカが事実上のインフレ目標導入に踏み切ってから、日でもやるべきだという声が高まりつつある。 筆者は議論自体は別に否定するものではないが、気になるのは当事者である日銀サイドの説明を踏まえていない批判が多いように感じるところである。 例えば北國新聞が社説で展開していた議論(以下)などはその典型である。 インフレ目標は、先進国のなかでは、ごく標準的な金融政策の枠組であり、米国以上に デフレが深刻な日でこそ必要な政策だ。日銀は「効果がない」「ハイパーインフレを招く」などの理由で、インフレ目標の導入に否定的だが、「効果がない」と言うのは、インフレ目標を導入している多くの国に対して失礼だろう。スウェーデン、ニュージーランドなどは一時的なデフレをインフレ目標の導入で克服したとされている。 http://3coco.org/a/modules/d3pipes_2/index.php?page=cl

    日銀がインフレ目標導入に消極的な理由 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/02/07
    "(前略)物価の動向だけに過度の関心が集まる結果、物価以外の面で、いわば静かに蓄積しつつあった金融経済の不均衡を見逃し、見過ごし、結果として金融危機発生の一因になったのではないかという問題意識(後略)"
  • 「インフレが人々の消費を活性化する」は本当なのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    インタゲやリフレ政策を支持する人々の主張の一つに「(マイルド)インフレは人々の消費を活性化させる」というのがあるが、これは筆者から見ればリフレ派の主張の中でも最も理解しがたいものの一つである。 その背景となる主なロジックの一つは以下のようなものだと理解しているのだが、正直なぜ多くの人々がこれに納得しているのかわからないい。 インフレになればお金の価値が下がっていくのでお金を手に入れればなるべく早く遣おうというようになり消費が活性化される。 (逆にデフレ下ではお金をもっているだけでどんどん価値が上がっていくから購入を先延ばしにしようとする動機が働き、消費が抑制される)。 つまり物価が上がっていくという予想だけでみんなどんどん消費をするようになるというのである。 個人的には全く実感がわかない話である。景気が良くなれば消費も増えるし、消費が増えればインフレも進む。これはわかる。 しかしインフレが

    「インフレが人々の消費を活性化する」は本当なのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2012/02/06
    今の日本の景気状態じゃ、インフレすればするほど景気悪化しそう。
  • 貧乏人のインフレ率 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    コメント欄での指摘を受け、政府統計の「勤労者世帯年間収入五分位階級別中分類指数(全国)」を基に年間収入五分位階級別の消費者物価指数データから年間収入五分位階級別の前年同月比のインフレ率及び2005年を100とした物価指数をプロットしてみた。 年間収入五分位階級というのは,世帯を年間収入の低い方から高い方へと順に並べて,世帯数を5等分したグループのことで,収入の低い方から順にI,II,III,IV,V階級となっている。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020102.do?_toGL08020102_ 2007年4月頃と2011年1月頃を比べるといわゆる消費者物価指数(全体平均)はほぼ同じであるが、年間収入五分位階級別に見た場合はかなり様相が違う。 なぜこうなるかについての一つの説明としてはバイフレーション(biflation / mixflatio

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  • 国債残高と国民の「資産」の関係について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先日のエントリー「国の借金 国民一人当たり722 万円」の意味 では、国債残高のもつ意味について目先のお金の流れの面から考察した。 エントリーの趣旨を簡単にまとめると、国債残高は将来的に返済する必要があろうがなかろうが、存在する以上その金利負担(もしくは元利負担)相当のお金が国民が支払った税金から棒引きされることになり、残高が増えれば増えるほど支払った税金と受け取れる公共サービスの差が大きくなるというものであった。 これはお金の流れ(フロー)の面から見た国債残高のもつ意味ではあるが、資産(ストック)という視点を加えるとその見え方がまた少し異なる。今回はこちらの視点から少し考察してみたい。 但し、今回取り上げたいのは「国債が国民の資産になっている」という意味の「資産」ではない。その意味での「資産」の視点も重要であるが、今回取り上げたいのは、要は国は借金までして代わりに何を得たかということであ

    国債残高と国民の「資産」の関係について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
    junshoku-159
    junshoku-159 2011/05/23
    残念ながら自民党に期待を持っているところですべての努力が台無しになっているんですけれどもね。
  • リフレ論における「事実」と「解釈」 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    先日のエントリーではリフレを巡る議論では「理論」と「仮説」を混同した主張が多く見られ、かえって議論を阻害しているのではないかという事を書いたが、それ以前に「事実」と「解釈」を混在させているケースも多く見られるように感じる。 以下はリフレ派の田中秀臣教授のブログからの引用である。 リーマンショック後、世界中の先進国がバランスシートの急激な拡大をしていたのに、日銀行は「もとから規模が大きいので特に増やす必要はない」と言い切った。そのため他国にくらべて猛烈に景気・雇用が悪くなり、また円高が急激に進んだ。 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20110507#p2 ここでいう「そのため」とは「日が量的緩和をしなかったため」という事だろうが、そこに因果関係が当に存在するのかについてはこの記事では全くふれられていない。 リフレ派的には「言うまでも無い」という

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  • 「国の借金 国民一人当たり722 万円」の意味 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    国債残高は増加の一歩を辿っており、2年連続で過去最高を記録。 よくある「国民一人当たりに換算すると」では722万円まで膨らんだようである。 「国の借金」924兆円に 1人当たり722万円 財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」が平成22年度末時点で924兆3596億円となり、2年連続で過去最大を更新したと発表した。1年間で41兆4361億円増加し、借金を国民1人当たりに換算すると、722万円となる。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110511/plc11051108010012-n1.htm こういう記事が出ると、「一人当たりを計算することに意味は無い」とか「政府の借金であって国民の借金では無い」とか「国債は国民にとっては資産だ」とか、「財務省の陰謀だ」というコメントが多数書き込まれることになるが、実際の所この金額は

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  • 貨幣数量「説」と貨幣数量「理論」について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    貨幣数量説は英語では「Quantity Theory of Money」であり、この説を自説をサポートするものと考えている人々の一部(まあリフレ派ということだが)は「貨幣数量理論」と呼びたいようである。 高橋洋一教授も記事や著作の中で かつて、日でも、このような説明をした経済学者がいたが、多くの学者から、そのような単純な貨幣数量説(英語では貨幣数量「理論」quantity theory of moneyだが、なぜか日語では「説」と訳す)を信じているのかと冷や水を浴びせられた。 http://www.j-cast.com/2010/05/27067416.html 中央銀行のバランスシートが拡大するということは、マネーベース(日銀は金融機関に供給するお金)が拡大しそれによる通貨発行益が増加することになる。その通貨発行益が財政当局を通じて世の中に流れるので、最終的には物価を押し上げる。 こ

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  • 「名目成長」で財政再建できるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    高橋教授がZAKZAKで「「経済成長で財政破綻する」財務省理論のトリックを暴く」と題して、以下のような指摘をされている。 この数字にはトリックがある。国債残高は600兆円だ。もしすべて1年債であったなら、金利が1%とすると次の年に6兆円増加して、その後は増えない。実際には1年より長期の国債もあるので、徐々に上がり数年経って6兆円まで上がるが、その後は増えない。 ところが、名目成長が1%アップすると、時間が経過すればするほど税収は大きくなる。数年経つと6兆円以上増える。財務省の資料は、3年までしか計算せずに利払費が税収より大きいところだけしか見せないのだ。 もし経済成長して財政破綻するなら、名目成長率は日はOECDでビリであるので、日以外の国はとっくに財政破綻しているはずだ。ところがそうなっていない。成長は財政再建を含めて多くの問題を解決できるからこそ、OECDが目的のトップに掲げている

    「名目成長」で財政再建できるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • 人は幾らまでなら破産せずにお金を借りれるのか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    人は幾らまでなら破産せずにお金を借りれるのか? もちろんそれは収入額、資産等多くのファクターから成り立つのだろうが、ハッキリしているのは事前に正確に評価することが不可能である事であろう。 なぜなら、もし明らかな「破産ライン」が存在するなら、最後の1円を貸す人間は存在せず、そして最後の1円が借りれないと言うことは、破産するときには「破産ラインー1円」で破産するということになるからである。 ちなみにこれを繰り返していけば、1円も借りれないということになってしまうが、勿論そんな事は無い。「破産ライン」が事前にわかるという前提が間違っているのであり、「破産ライン」は事前には分からないが、存在し、それを通り過ぎた後にだけわかるという類のものだということになる。 もちろん何の資産も無い一般人が借りれる金額には限度があるし、目安は存在する。金利さえ払えないような借金をすることは殆どの場合破産につながる。

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    junshoku-159
    junshoku-159 2011/05/03
    何事も物には限度がある。
  • 日銀のバランスシートが毀損するとどうなる?? (松尾匡教授の「思考実験」について 2) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    前回取り上げさせて頂いた松尾教授の思考実験について、松尾教授ご人からご指摘を頂き、またエッセイでも取り上げていただいた。 最初に当方の誤解を指摘いただいた部分について書いておくと、前回取り上げた思考実験は、日銀のバランスシートが毀損しても、しなくてもインフレが悪化する時には悪化するのだから日銀のバランスシートが悪化するかどうかは問題ではないということの背理法を用いた指摘であったということで、その部分は筆者が読み違えていたようである。 (唯、背理法になっていないような気もするのだが、、) 一方で当方がコメントした、日銀のバランスシートが毀損しなくてもインフレは悪化しうるという事実は、日銀のバランスシートが毀損すればインフレは悪化するという懸念への反証になっていないのではないかという点については、趣旨はご理解いただけたようで、新たに以下のような思考実験を提示していただいた。 「日銀のバランス

    日銀のバランスシートが毀損するとどうなる?? (松尾匡教授の「思考実験」について 2) - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • 松尾匡教授の「思考実験」について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    松尾匡教授が「ちょっと思考実験してみよう」と題して、国債の日銀引き受け批判を批判されているが、なにかおかしい。 該当部分を引用してみると。 政府支出資金を作るために、国債の日銀引き受けをするとして、それを「物価連動国債」でやったらどうなるでしょうか。つまり、満期が来て政府がおカネを返すときの金額が、インフレになったらその分膨らむ仕組みの国債ですね。こいつを発行して、日銀に買取らせて、日銀は無からおカネを作って政府に渡す。 で、期限が来たら、また物価連動国債で借り換えをするわけです。 これ、インフレになったら、日銀のバランスシートの資産側が膨らんでいきます。ハイパーインフレにでもなろうものなら、日銀の資産額が爆発します! 国債の日銀引き受けと聞いたとたん、「日銀のバランスシートが毀損する」→「通貨の信認が失われる」→「ハイパーインフレになる」と言い回る人たちは、これ、どう評価するんでしょうね

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  • 英中銀・キング総裁と緊縮財政について - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    英国におけるリーマンショック後のリフレ政策(量的緩和)の顛末については、その後の経過がよろしくない為か、リフレ派の論者にはまともに取り上げられることが少ないが、その数少ない言及に於いては、英国の現状の責任を政府の緊縮財政に向けているものが多く、又、その中にはキング総裁はきちんとリフレ政策を推進しようとしているのに政府に足を引っ張られているという見方も散見される。 英国の景気停滞の原因を財政政策に問うのはあながち的外れでは無いかもしれないし、リフレ的にはそういう方向に持っていかざるえないのは分かる。 そもそもインフレ率だけを見れば既に1年以上インタゲの上限値を上回り続けており、リフレ的には目標を達成している訳で、その状況下での景気停滞の責任を金融緩和がまだ不十分であることに求めるのは流石に無理がある。かといって英国の資産バブルが実体経済に残した爪跡が景気停滞の原因と認めれば、日のデフレ不況

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  • 日本の非製造業の労働生産性が低い理由 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    経済の問題点の一つは非製造業の労働生産性が他国に比べて低いことであるという説は以前からあり、その原因を非製造業自体に求める論も多くあるが、それは妥当だろうか? 非製造業の労働生産性が低いということはその産業に働く労働者の賃金が高すぎると言うことである。 しかし実際の賃金を見てみるとむしろ「ワーキングプア」と呼ばれる人々の多くもこれらの産業の労働者に含まれており、日の一般的な感覚では必ずしも彼らの賃金は高いとは言えない。 むしろ多くの人はこのくらい無いとまともに生活していけないレベルの賃金に留まっている。 ではなぜこの国内的には低賃金なのに、他国との労働生産性比較の面では高賃金なのかと言えば一つは円が強いこと、もう一つは物価が高いこと、が理由ではないだろうか。 つまり日の非製造業の労働者は高物価の為、実質としては欧米の同労働者より低賃金(低待遇)で働いているが、円高の為、名目では高賃

    日本の非製造業の労働生産性が低い理由 - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する
  • 日銀の国債引き受けが実現すれば何が起きるか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する

    まず、このようなマネタイズに手をつければ、一定の円安と国債金利の上昇は避けられないであろう。そしてこの二つは日銀の国債引き受けが行われることが決まれば即日反応があるはずである。(正確には影響の一部は噂の段階で織り込まれる可能性が高い。影響の度合いは日銀の国債引き受けがどのように市場に受け止められるかによるが、禁じ手であることが現職閣僚を含む多くの関係者によって繰り返し強調されている中で、方針転換を行って強行する場合は過去の市場を通じた国債引き受けとは同列には語れないはずである。) 円安は輸入物価の上昇と輸出の振興を伴う。輸入物価に関しては、世界的なコモディティ価格の上昇と併せて、輸入インフレとも言うべきインフレを起こすはずである。 一方で輸出産業にとって円安は間違いなく追い風になり、売り上げ、収益共に改善が期待できる。 又、株式市場は上昇が期待できる。グローバルな資金の流れが大きくなってか

    日銀の国債引き受けが実現すれば何が起きるか? - カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する