自分を丸のみにした捕食者の体を突き破って脱出すると聞くと、「それって映画エイリアンで見たやつ」と思う人も多いが、「ニホンウナギ」の稚魚は、実際にそれに近いことをやってのけるそうだ。 とはいっても体を突き破るわけではない。飲み込まれると、胃から食道といった逆のルートで捕食者の消化管をさかのぼり、エラの隙間からするりと抜け出していくのだ。 長崎大学大学院の研究チームは、動物全体でもとびきり珍しいニホンウナギの稚魚による体内からの脱出劇を、史上初めてカメラで撮影することに成功した。 その秘訣は、やはりあのヌルヌルとした細長い体であるそうだ。 ニホンウナギの稚魚は飲み込まれた後に脱出することができる 夏の風物詩のようなウナギは、私たちに日本人にはお馴染みの食材だ。だがご存じのように、「ニホンウナギ」は乱獲から数が激減し、絶滅が危惧されている。 そんなウナギを守るには、その生態を解明することがとても