ロボットは意識を持つことができるか?――「鉄腕アトム」の登場以来、日本人が常に抱えてきた疑問を、ロボット工学と認知科学の両面から検討する研究が進んでいる。この“インテリジェンス・ダイナミクス”(知能の動力学)を提唱しているのはソニー。同社が主催するシンポジウムが昨年に続いて開催され、多くのロボット研究者が集まった。 シンポジウムでは、QRIOのデモンストレーションも実施されたが、普段と少し様子が違う。プログラムされたシナリオに沿って動く優等生ではなく、何かをしようとして失敗したり、迷ったり……まるで幼児のようなQRIOを見ることができた。とりあえず、カワイイから良しとする インテリジェンス・ダイナミクスは、“実世界との関わりを通じて進歩する人工知能”を作ろうというアプローチだ。自律動作が可能になったとはいえ、現在のロボットは事前に決められたプログラムに沿って動いているに過ぎない。複雑なプロ