子供の頃の僕にとって、テレビゲームは一種の「ことば」のようなものだった。 転勤族として、いくつもの小学校を転々としていた少年時代。どこへ行っても転校生として扱われてきた僕にとって、「友達づくり」はいつだって大問題だった。引っ越すたびに人間関係がリセットされる転校生は、そのたびに一から友達をつくる必要がある。 ルールも文化も言葉づかいも異なる新しい環境──しかもすでに友達グループができあがっている──に、新参者が飛びこむのは難しい。ただでさえ学校という狭い世界で過ごす時間の多い子供は、いち早くそこに馴染まなければならないのに。さもなくばクラスで浮き、学校が楽しめなくなってしまう──。 そんな自分を周囲と結びつけてくれたのが、「ゲーム」だったのです。 テレビゲームと言えば、小学生(特に男子)にとっては一大コンテンツ。それは僕にとって、どこへ行っても通じる数少ない共通の話題だった。休み時間になっ
![やさしくてあったかい、1人のゲーマーが紡いだ言葉の数々『岩田さん』 - ぐるりみち。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/46fc90222191d641174e3424f0c374f8e7ae2420/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fo%2Fornith%2F20190821%2F20190821182110.png)