民主党の昨年総選挙時のマニフェストには「政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ」と書かれている。この背景には、官僚主導から政治主導という考えがある。 ここでいう官僚主導とは、各省の官僚が、政府と与党の二元体制を上手く利用し、政府と与党の国会議員を分断し操って、官僚優位を構築することだ。 具体的には、各省官僚は、一方で政府内で政府提出法案を用意しつつ、他方で党政調での事前審査における根回しを同時に行う。その場合、例えば内閣の政策方向が各省官僚の思惑とずれる場合、官僚は内閣(各省大臣)の指示に従うのではなく、党政調で族議員を抱き込み、自らの省益にかなうように党政調の事前審査段階で換骨奪胎するという具合だ。こうした官僚主導の弊害を是正するためには、内閣への一元化だけが解決策ではない。 仮に政府と与党の二元化であっても、各省官僚と与党議員の接触を禁止すればいい。内閣