「われわれが過去にほとんど経験したことないような頻度で猛暑の発生が増加する」。気象庁気象研究所、東京大学大気海洋研究所、国立環境研究所の研究チームは5月23日、昨年7月の記録的な猛暑への地球温暖化の影響と将来の見通しを発表した。 昨年7月、日本列島は記録的な猛暑に見舞われた。23日には埼玉県の熊谷市で最高気温41.1度を記録するなど、全国113の地点で観測史上最高気温を塗りかえた。同月の熱中症による死亡者数は1000人を超え、過去最多となっている。 このような異常気象は観測記録が少ない上、大気が本来持っている「揺らぎ」が偶然重なった結果として発生するため、地球温暖化の影響を科学的に証明することは困難だった。しかしコンピュータの発展により、大量の気候シミュレーションで「揺らぎ」を網羅する手法が可能になったという。 研究チームは気候モデルを用いて温暖化した状態と温暖化のない状態をそれぞれを計算