ブックマーク / m-majipan.hatenablog.com (153)

  • カラスビシャク - 近場の博物誌

    街中の植え込みから顔を出していた。小さくくすんだ緑色の植物で目立たないが、近づいて観察すると実にユニークな形をしている。葉は一で大きさは10㎝ぐらい。3つの小葉からなる。尖筆で書かれたような葉脈が美しい。 花は細いラッパのような形(仏炎苞)で中にこん棒状の雄シベ雌シベが入っている。そこから細長いヒモ状のものを伸ばすのが特徴だ。この場所のものは特に長く15㎝ぐらいある。普通上向きだが長いせいか横に倒れている。同じサトイモ科のマムシグサやウラシマソウと同じパターンだ。 日全国及び中国・朝鮮半島に分布するが、古くに日に持ち込まれたものと考えられている。地中の塊茎やムカゴで増える。意外に強壮で、畑に入り込み困った雑草になっていることもある。

    カラスビシャク - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/05/11
  • 谷戸の植物5月初旬 - 近場の博物誌

    台地の一部に深い谷(谷戸:やとと呼ばれる)が穿たれ、奥に水が沸いて小川が流れている。近場に公園として保存されている所がある。木々が蒼として暗く湿度が高い独特の環境である。夏にはヤブミョウガが大きな群落をつくり花畑のようになる。今はまだ芽を出したばかりのところである。 ノイバラ(画像上) 林縁はノイバラの花が満開だ。中に1株だけピンク色の花を付けたものがあった。ほのかに色づく程度だが他の株とは明らかに違う。ノイバラはツボミの段階ではピンク色がかったものは珍しくない。しかし開花すると白くなるのが普通。個体差の範囲かもしれないが、初めて見たのでちょっと得した気分だ。 コゴメウツギ(画像下) 林縁の薄暗いところに多い高さ1~2mの低木。今は小さな花を大量につけている。香りは無い。ウツギの仲間ではなくバラ科だが、イバラとは全く印象が違う。 ヤブジラミ セリ科の在来種雑草。草丈は50㎝ぐらい。ほとん

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    k10no3 2024/05/10
  • 多摩丘陵の植物2024GW - 近場の博物誌

    多摩丘陵にはまだ所々に昔からの道が残っており、蒼とした樹林の暗い中をくねくねと続く。GWの1日ゆっくりと歩いた。道沿いに独特の植物が次々と現れて目を楽しませてくれる。 タツナミソウ(画像上) 目が覚めるような紫色だ。 キンポウゲ(ウマノアシガタ、画像下) 薄暗いところでひょろりと伸びた先の花はキラキラした光をまとっており、金鳳花という表現が似つかわしい。好きな花だ。 ヤマツツジ 雑木林の林縁に朱赤色の花が見える。ミツバツツジの赤紫も良いが、これもなかなかのものだ。 キンラン 暗い林床で花を付けている。里山の手入れがされなくなって少なくなった。 キツネアザミ 丘陵地の所々が急に開けて開墾地に出る。日当たりの良い未耕作地で花を付けていた。見た目はアザミなのだが、葉や総苞にトゲが無い。狐に化かされたという意味の名前だ。 ウシハコベ 半日陰に多い大型のハコベ。5枚の花弁は大きく切れ込んで10枚に

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    k10no3 2024/05/04
  • ウオーキングで出会った花4月下旬 - 近場の博物誌

    いつも通る街中の川沿いの道を歩いた。道の端に舗装されていない部分があり、一部は周辺の家の花壇のようになっている。後は雑草が生えているが定期的に刈られているようだ。ゴミも落ちておらず、近隣の方が手入れされているのを感じる。 小さな花たち(画像上) 3種類交じって夜の星のようだ。オオイヌノフグリの花が直径8㎜ぐらいなのでノミノツヅリ(白色)の小ささがわかる。キュウリグサも見える。近くに寄らないと咲いていることすらわからない。 アメリカフウロ(画像下) 今頃から夏中咲き続ける。拡大すると意外にきれいだ。 オランダミミナグサ 花をよく見るとナデシコ科の片鱗がある。しかしこの草はひたすら大量の実(種)を付けるばかりで立派な雑草である。 ノヂシャ ごく小さな花の集合。僅かに青みがかかった白色である。一つの花は五裂した合弁花で、オミナエシ科の特徴がある。 ノゲシ 春先から花を咲かせ続け大きな株になってい

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    k10no3 2024/04/28
  • 街の花4月下旬 - 近場の博物誌

    近場の住宅地を歩いていてよく見かける花。庭に植えられたものでもいつのまにか野生化(雑草化?)している場合が多い。民家の外まではみ出していたり、とんでもないところで咲いていたり。 シラン(紫蘭、画像上) 街角でよくみかける。ラン科だし赤紫色の派手な花なのだが、丈夫で育てやすいせいか今一つ有難味に欠ける。庭先で雑草のスギナに混じって咲いていた。日台湾中国で自生する。 コデマリ(小手毬、画像下) 民家の庭の定番。大きな株になる。同じ白い花のユキヤナギはもう終わっているが、同じような位置づけだ。中国原産の帰化植物。最近は類縁のオオデマリ(大手毬)も見かける(下)。こちらは毬(まり)のような花房がちょうど手に入る大きさだ。 モッコウバラ(木香薔薇) 中国原産の黄色いバラ。トゲが無く成長が早いのでよく生垣になっている。2階建ての家ぐらいの大木を見たことがある(下)。 ペラペラヨメナ 葉の厚さが薄

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    k10no3 2024/04/27
  • ダンダラテントウ - 近場の博物誌

    ノイバラのツボミにいた極小のテントウムシ。直径4㎜ぐらいの半球形でつややかな黒色をしている。接写すると前方(上の方)のヘリ近くの二つの赤い三日月紋がわかる。この画像ではわかりにくいが、白い眼のようにみえるのは胴部の模様だ。 最初、ナミテントウの2つ星型かと思ったが、一回り小型で赤い紋が前に偏っている。調べてみるとよく似た特徴を持つテントウムシが何種類もいることに驚いた。大きさと文様の位置、形からダンダラテントウと結論した。 ダンダラとは段々に色が異なる模様をいう。この虫は模様の変異が大きく、南西諸島にいる個体は赤地に太い黒マジックで顔を描いたような面白い模様をしている。これがダンダラという名の由来である。一度ネットで画像を見てみられることをお勧めする。一方、九州より北の方で見られるものは黒地に小さな斑紋が入ったものが多く、斑紋の数は4つや2つがある。 性はナナホシテントウと同じ植物につく

    ダンダラテントウ - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/04/24
  • 里山の植物4月中旬 - 近場の博物誌

    サクラの満開後は急に暖かくなった。前回と同じ日に神社の周辺で出会った花たち。 イチリンソウ(画像上) キンポウゲ科。切れ込みが多い葉と、1輪だけ花を付けるのが特徴。花びらにみえるのは硬いガクである。そのため花が長持ちする。 ニリンソウ(画像下) イチリンソウの類縁種。やや小柄で葉の形が違う。1の花茎には2、3個のつぼみがあり、一輪ずつ少し時間をおいて咲いていく。花が長持ちするため2輪咲きが多いが1輪や3輪で咲いているものもある。 タンポポ アカシジミが来ている。市街地ではセイヨウタンポポ(外来種)が多いのだが、多摩丘陵で出会うのは今のところ在来種のカントウタンポポばかりである。花の付け根の鱗片状のガク(総苞)がめくれていないのが特徴だ。休耕地のなどに一面に生えていると、きれいだと思う。しかし周りの耕作中の畑に種(綿毛)を飛ばすのは困ったものだ。 フデリンドウ 小型の春リンドウ。先日の花は

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    k10no3 2024/04/15
  • ニオイタチツボスミレの香り - 近場の博物誌

    また別の里山。散りつつあるサクラを 観ながら歩いた。多摩丘陵にある神社の境内周辺で、草刈りなどよく手入れされている。1週間前は薄紫のタチツボスミレが花盛りだったが、もう花が終わってきている。 中に紫色が濃いものがあった(画像上)。花の中心部が白く抜けた感じである。葉の形などそっくりだが、顔を近づけるとタチツボと違って香水のようなふくよかな香りがする。ニオイタチツボスミレだ。北海道南部の一部以南に分布する別種である。花ビラが微妙にぽってりしていてビオラ(西洋スミレ)を思わせる。花柄にビロード状の毛があるのも特徴だ。下に普通のタチツボスミレを示す。 香りを表現するのは難しいが、少し調べてみた。香水の世界ではスミレ系の香りはよく使われる。成分も研究されており、主なものはα(アルファ)イオノンという物質である。化学合成されて色々なものに香料として使われている。そのためどこか身近な感じがする。 昔は

    ニオイタチツボスミレの香り - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/04/14
  • 里山の植物4月初旬(その2) - 近場の博物誌

    里山の林縁で見つけた花。 ヤマザクラ(画像上) 花と一緒に赤っぽい新芽を伸ばす。漆器のようなおもむきがあって美しい。10ないし11ある日のサクラの原種の一つだが、一花色や葉の形など微妙に異なっている。ソメイヨシノのような単一クローンではないし、他の種類との交配種も多いためだ。 オオシマザクラ(画像下) ソメイヨシノの片親。大きな花と大木になる性質を与えている。野生種の分布は伊豆諸島と伊豆半島、房総半島の一部に限られている。近場に大木が多いのは薪炭用として移植されたものか。左の花にナナフシの幼虫が付いている。 アオキ 常緑で枝まで緑の(昔の言い方で「青い」)低木。雌雄異株。画像上の花は雄で、4つの雄シベを持つ。雌株は冬の間ずっと真っ赤な実を付けている。鳥には不味いらしく、べ物の少ない今頃になっていつの間にか無くなる。1個だけ残っていた。 イロハカエデ カエデの木も新芽に覆われている

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    k10no3 2024/04/11
  • 里山の植物4月初旬(その1) - 近場の博物誌

    先日の里山は道路や畑で大幅に人の手が入っており、植物も平地のものに近い構成だった。今回は違う場所、雑木林が残る多摩丘陵の一角である。下草が刈られて野原のようになったところだ。 キジムシロ(画像上) バラ科。この植物は花柄を伸ばして放射状に広がり先端に花を付ける。その結果花が円形に並ぶ。名前はキジが座るのに敷く筵(むしろ)という意味。 フデリンドウ(筆竜胆、画像下) 枯れ葉の中から小さい花が突き出していた。青い色からオオイヌノフグリかと思って見逃しそうになる。息をのむような瑠璃色だ。 ジュウニヒトエ 花房が伸びてきて重ね着のようになる。平安王朝時代の十二単(じゅうにひとえ)である。 アカネスミレ(茜菫) 薄紫のタチツボスミレが多い斜面の一部分が紫色になっていた。葉の形と表面がビロード状であることからアカネスミレと分かる。 ヒトリシズカ 野原に咲くセンリョウ科の多年草。花びらが無く白い雄シベが

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    k10no3 2024/04/10
  • 里山の草の花:3月末 - 近場の博物誌

    郊外の丘陵地を歩いて出会った草の花。休耕地や畑の周辺、道沿いは一気に萌え出た草に覆われている。だいたい平地と似たような構成だ。多いのはヤハズ(カラスノ)エンドウ、スズメノエンドウ、ナズナ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ハコベ、オオイヌノフグリといったところ。イネ科やキク科(ハルジオンなど)はまだ少ない。 ナノハナ(画像上) 丘陵地のあちこちに畑がある。花や葉をべる色の薄い種類と、菜種油を採る背の高いものがある。これは後者のようだ。春の暖かい日差しによく映える色だ。 タチツボスミレ(画像下) 林縁ではごく小さい株がもう花を付けている。探すと至る所で咲いていることがわかる。 キジムシロ 雑木林の林縁の日当たりの良い場所に多い。キジ(雉)がムシロ(筵)のように敷いて寝そべるようだ、ということからついた名前である。座ると暖かそうだ。 ムラサキケマン 花の形が仏殿に吊るす飾りの華鬘(けまん)に似て

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    k10no3 2024/04/04
  • 一番早いスミレ - 近場の博物誌

    気温が20度を越える日があったと思ったら、今日は最高で10度と真冬並みだ。そんな3月中旬に多摩丘陵で出会った早咲きのスミレ。アオイスミレ(葵菫)だ。タチツボスミレ(画像下)も陽だまりでは2月末ぐらいから咲いているが、格化するのはまだ先だ。 よく見るとタチツボより花色が白っぽく形も違う。アオイは5枚の花びらのうち上向きの2枚がウサギの耳のように長く伸び、他が丸まった独特の形をしている。花の後ろに突き出した距(きょ、蜜の袋)が大きめで上に曲がっている。毛が多いのも特徴で、特に花茎に目立つ。またタチツボは地上茎と托葉を持つが、早春の段階では茎が伸びておらずはっきりしない。 家の外は氷のような北風が吹き荒れている、今頃咲くスミレは気温の乱高下をどう感じているのだろう。

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    k10no3 2024/03/21
  • 潜水のプロ - 近場の博物誌

    公園の池。広さと深さがあるため、2羽のカイツブリが住み着いている。小柄で黒茶色の地味な鳥だ。雌雄同色なのでカップルかどうかはわからない。警戒心が強くて近づけなかったが、望遠レンズのおかげで細かい特徴がわかるようになった。 全身黒光りする羽色で、目の後ろから首にかけて赤茶色。目の下の白斑が目立つ。丸い眼は瞳孔が点でトボけた感じだ。潜水からあがったところで水滴がたくさん付いている。 数分おきに潜水し、3,4m離れたところに浮かび上がる。潜るのも浮かび上がるのも実にスムーズで水面にはほとんど波紋が立たない。まさに潜水の達人である。シャッターを押した瞬間に潜ったのが2番目の画像で、口から出たのか小さな泡が見えるだけである。 下の画像は別の日に見たキンクロハジロのメス。これも潜る種類だ。目が鋭いのと全身黒色系ですごい迫力を感じる。

    潜水のプロ - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/03/20
  • アタミカンザクラ - 近場の博物誌

    郊外の公園。色々な花木が植えられていて、次々と咲いていく。ウメはほぼ散っており、ツバキやカワヅザクラも終わりかけだ。今は別の種類の早咲きのサクラが満開になっている。名前は熱海寒桜とある。5,6羽のメジロが来ていてゴソゴソ動き回っていた。 薄紅色の花が大きな花房になっている。花びらは一重で完全には開かない。熱海市のHPによると大寒桜とも呼ばれ、カンヒザクラ(寒緋桜)とオオシマザクラ(大島桜)の交雑種と考えられている。1月下旬から2月上旬の真冬に咲くあたみ桜という種類もあるが別種のようだ。カンザクラには多くの種類があり、土地柄や気候により咲く時期が異なるのでややこしい。 このサクラはソメイヨシノより一週間位早く咲く。花の季節もいよいよだ。

    アタミカンザクラ - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/03/15
  • 3月初旬の花 - 近場の博物誌

    春を通り越して初夏を思わせるような日があったと思ったら翌日は真冬のような冷たい雨が降る。極端な気温の変化は温暖化によるものなのか。均せば暖かい方になるだろう。様々な植物の固いツボミが動き出した。2月末から3月初旬の花。 ネコヤナギ(画像上) 白銀の産毛(うぶげ)に覆われたツボミは暖かそうである。一つ二つ花が咲き始めている。 ハナモモ(画像下) いつもの街中の川の護岸や中州に木が生えていて花を付けている。どこかの庭から実(種)が流れてきて野生化したものか。 フクジュソウ 真冬に花が咲く草は貴重だ。多彩な園芸種を見かける。 アセビ 近づくと甘い香りを感じる。地味な木だが、今の時期は花が咲いて民家の庭や雑木林の中など至る所に生えていることがわかる。最近は派手な品種もある。 ミツマタ 小さいツボミは銀色をしている。すぐに大きくなって、開花すると花びらは明るい黄色だ。 キブシ まだツボミがわずかに膨

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    k10no3 2024/03/06
  • ヒヨドリ - 近場の博物誌

    里山の畑にヒヨドリの群れが来ていた。10羽ぐらいが、トラクターが走った後の野菜の残渣をつついている。圃場に残ったプロッコリーが花を付けており、花びらやつぼみもべているようだ。 ムクドリと同じぐらいの中型の鳥で全身が灰色だ。曇りの日などは黒っぽく見えて見分けるのが難しい。目の後ろの赤茶色い丸印と胸のまだら模様が特徴。画像でははっきりしないが頭に短い冠毛があり、逆立ってモヒカンのように見えるときがある。 名前の由来は「ヒーヨ」と聞こえる鳴き声からとされている。私は息を吸い込んでする口笛のように感じた。飛び立つときに鋭くさえずる。よく通る声なので何度か聞いているうちに聞き分けられるようになった。 都会に適応した鳥で、年中見かける。雑性。木の実や昆虫などなんでもべる。街中は民家の庭などで実を付ける樹木が豊富だ。最近は野良のような天敵もいなくなって安全なのだろう。

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    k10no3 2024/03/05
  • カンツバキにメジロが来る - 近場の博物誌

    街中を歩くと民家の庭などでカンツバキが咲いている。盛りは過ぎているが厳寒の今頃には貴重な彩(いろどり)である。そこにスズメより小さな鳥が飛んできた。目の周りが白いのでメジロのようだ。画像の左下に写っている(下に拡大図)。 メジロ科。頭から羽根が黄緑色で喉から体の下側は黄色である。見た目はウグイスによく似ている。留鳥で、年間を通じて街中でもよく見かける。今頃ウメやカンツバキの花に来るのは蜜を吸うため。花粉を運ぶので授粉にも一役買っている。夏場は虫もべている。 目で追っても葉と紛れてすぐ見失ってしまう。非常に敏捷に動き回り、高速で飛び去る。今回も慌ててカメラを取り出してシャッターを切ったのでピンボケになってしまった。来る木がわかったので、次こそはちゃんと撮りたいと思っている。 なおカンツバキは「ツバキ」という名前だが、冬に咲くサザンカの仲間である。物のヤブツバキは近場では初春の花で、今はま

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    k10no3 2024/02/04
  • 水辺の鳥2024(その2) - 近場の博物誌

    ツグミ(画像上) 川岸に赤茶色の鳥が見えた。大きさはムクドリぐらいか。画像を見るとくっきりしたモザイクのような羽根だ。派手な模様なのに周囲にまぎれてしまう。名前は聞いたことがあったが見るのは初めてである。ヒタキ科。中国中南部やロシア東部から冬越しでやってくる冬鳥。昔はたくさんいたが今は減ってしまっている。 ダイサギ(画像下) シラサギには大中小がある。いつもの街中の川ではコサギ(小鷺)は時々見るが、ダイサギ(大鷺)は来たことがない。身体が大きいだけに広い環境が必要なようだ。この川は幅と深さがあって小魚が多いので住みやすいのだろう。黄色のクチバシと、眼の前の青い模様が目の後ろまで伸びているのが特徴だ。なお、チュウサギ(中鷺)は数が少ない。 オカヨシガモのカップル オス(手前)は頭が茶色で羽根が灰色と黒というシックな装いのガンカモ類だ。メスは例によって一緒にいないと種類がわからない。 ヒドリガ

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    k10no3 2024/02/01
  • バン(野鳥) - 近場の博物誌

    先日カワセミなど様々な鳥を見かけた横浜市の北部を流れる川。都市部を抜けると数キロにわたって田園地帯を通っている。護岸はコンクリートながらその一部や土砂がたまった中州などに木が生えており、意外に自然豊かな環境である。空気が澄み切った冬景色の中、望遠カメラを抱えて下流に2時間ほど歩いた。 カルガモとサギ類が多い中に、渡り鳥(冬鳥)のカモ類がみられた。真っ黒で額が白いオオバン(鳥)もたくさんいたが、図鑑にあるバンが見当たらない。そう思いながら少し歩くと岸の茂みから素早く水面に飛び出したものがいる。オオバンより小型で、近づくと赤い額(ひたい)が見えた。バンに間違いない。 水から顔を上げたところでしずくが垂れている。資料では真っ黒に見えるものが多いのだが、今回は光線の関係か色彩豊かに写っている。頭から首は青紫がかった灰色。羽根は濃い茶色で腹部に数の白いスジがある。クチバシと額(額板という)は鮮やか

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    k10no3 2024/01/29
  • 三浦半島長者ヶ崎 - 近場の博物誌

    神奈川県三浦半島の逗子(ずし)駅から葉山(はやま)にかけての海岸道路は何度も訪れている。公共交通で1時間とちょっとだから一応近場だ。海の向こうに富士山が見えて絶景である。まだ正月気分が残っていてメデタイ気分になる。 目標はずっと気になっていた長者ヶ崎だ(画像下)。葉山町の海岸で相模湾に突き出している岬である。岬の途中が途切れているように見えるが、衛星画像によると浅瀬か低い岩場でつながっているようだ。時間が早かったので太陽はまだ岬の向こうで薄暗く、海風が猛烈に寒い。根元まで行ってみたが残念ながら崩落が激しくて立ち入り禁止になっていた。 見上げると岬の北側の崖がむき出しで、地層がはっきり見える。注目されるのは何も走っている白い層だ。海底火山由来の火山灰や軽石からなる層である。激しい火山活動が想像される。 資料によると長者ヶ崎の地質は三浦層群逗子層という名称で新生代新第三紀(850万~350万

    三浦半島長者ヶ崎 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/01/12