ブックマーク / m-majipan.hatenablog.com (159)

  • 3月初旬の花 - 近場の博物誌

    春を通り越して初夏を思わせるような日があったと思ったら翌日は真冬のような冷たい雨が降る。極端な気温の変化は温暖化によるものなのか。均せば暖かい方になるだろう。様々な植物の固いツボミが動き出した。2月末から3月初旬の花。 ネコヤナギ(画像上) 白銀の産毛(うぶげ)に覆われたツボミは暖かそうである。一つ二つ花が咲き始めている。 ハナモモ(画像下) いつもの街中の川の護岸や中州に木が生えていて花を付けている。どこかの庭から実(種)が流れてきて野生化したものか。 フクジュソウ 真冬に花が咲く草は貴重だ。多彩な園芸種を見かける。 アセビ 近づくと甘い香りを感じる。地味な木だが、今の時期は花が咲いて民家の庭や雑木林の中など至る所に生えていることがわかる。最近は派手な品種もある。 ミツマタ 小さいツボミは銀色をしている。すぐに大きくなって、開花すると花びらは明るい黄色だ。 キブシ まだツボミがわずかに膨

    3月初旬の花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2024/03/06
  • ヒヨドリ - 近場の博物誌

    里山の畑にヒヨドリの群れが来ていた。10羽ぐらいが、トラクターが走った後の野菜の残渣をつついている。圃場に残ったプロッコリーが花を付けており、花びらやつぼみもべているようだ。 ムクドリと同じぐらいの中型の鳥で全身が灰色だ。曇りの日などは黒っぽく見えて見分けるのが難しい。目の後ろの赤茶色い丸印と胸のまだら模様が特徴。画像でははっきりしないが頭に短い冠毛があり、逆立ってモヒカンのように見えるときがある。 名前の由来は「ヒーヨ」と聞こえる鳴き声からとされている。私は息を吸い込んでする口笛のように感じた。飛び立つときに鋭くさえずる。よく通る声なので何度か聞いているうちに聞き分けられるようになった。 都会に適応した鳥で、年中見かける。雑性。木の実や昆虫などなんでもべる。街中は民家の庭などで実を付ける樹木が豊富だ。最近は野良のような天敵もいなくなって安全なのだろう。

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    k10no3 2024/03/05
  • カンツバキにメジロが来る - 近場の博物誌

    街中を歩くと民家の庭などでカンツバキが咲いている。盛りは過ぎているが厳寒の今頃には貴重な彩(いろどり)である。そこにスズメより小さな鳥が飛んできた。目の周りが白いのでメジロのようだ。画像の左下に写っている(下に拡大図)。 メジロ科。頭から羽根が黄緑色で喉から体の下側は黄色である。見た目はウグイスによく似ている。留鳥で、年間を通じて街中でもよく見かける。今頃ウメやカンツバキの花に来るのは蜜を吸うため。花粉を運ぶので授粉にも一役買っている。夏場は虫もべている。 目で追っても葉と紛れてすぐ見失ってしまう。非常に敏捷に動き回り、高速で飛び去る。今回も慌ててカメラを取り出してシャッターを切ったのでピンボケになってしまった。来る木がわかったので、次こそはちゃんと撮りたいと思っている。 なおカンツバキは「ツバキ」という名前だが、冬に咲くサザンカの仲間である。物のヤブツバキは近場では初春の花で、今はま

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    k10no3 2024/02/04
  • 水辺の鳥2024(その2) - 近場の博物誌

    ツグミ(画像上) 川岸に赤茶色の鳥が見えた。大きさはムクドリぐらいか。画像を見るとくっきりしたモザイクのような羽根だ。派手な模様なのに周囲にまぎれてしまう。名前は聞いたことがあったが見るのは初めてである。ヒタキ科。中国中南部やロシア東部から冬越しでやってくる冬鳥。昔はたくさんいたが今は減ってしまっている。 ダイサギ(画像下) シラサギには大中小がある。いつもの街中の川ではコサギ(小鷺)は時々見るが、ダイサギ(大鷺)は来たことがない。身体が大きいだけに広い環境が必要なようだ。この川は幅と深さがあって小魚が多いので住みやすいのだろう。黄色のクチバシと、眼の前の青い模様が目の後ろまで伸びているのが特徴だ。なお、チュウサギ(中鷺)は数が少ない。 オカヨシガモのカップル オス(手前)は頭が茶色で羽根が灰色と黒というシックな装いのガンカモ類だ。メスは例によって一緒にいないと種類がわからない。 ヒドリガ

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    k10no3 2024/02/01
  • バン(野鳥) - 近場の博物誌

    先日カワセミなど様々な鳥を見かけた横浜市の北部を流れる川。都市部を抜けると数キロにわたって田園地帯を通っている。護岸はコンクリートながらその一部や土砂がたまった中州などに木が生えており、意外に自然豊かな環境である。空気が澄み切った冬景色の中、望遠カメラを抱えて下流に2時間ほど歩いた。 カルガモとサギ類が多い中に、渡り鳥(冬鳥)のカモ類がみられた。真っ黒で額が白いオオバン(鳥)もたくさんいたが、図鑑にあるバンが見当たらない。そう思いながら少し歩くと岸の茂みから素早く水面に飛び出したものがいる。オオバンより小型で、近づくと赤い額(ひたい)が見えた。バンに間違いない。 水から顔を上げたところでしずくが垂れている。資料では真っ黒に見えるものが多いのだが、今回は光線の関係か色彩豊かに写っている。頭から首は青紫がかった灰色。羽根は濃い茶色で腹部に数の白いスジがある。クチバシと額(額板という)は鮮やか

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    k10no3 2024/01/29
  • 三浦半島長者ヶ崎 - 近場の博物誌

    神奈川県三浦半島の逗子(ずし)駅から葉山(はやま)にかけての海岸道路は何度も訪れている。公共交通で1時間とちょっとだから一応近場だ。海の向こうに富士山が見えて絶景である。まだ正月気分が残っていてメデタイ気分になる。 目標はずっと気になっていた長者ヶ崎だ(画像下)。葉山町の海岸で相模湾に突き出している岬である。岬の途中が途切れているように見えるが、衛星画像によると浅瀬か低い岩場でつながっているようだ。時間が早かったので太陽はまだ岬の向こうで薄暗く、海風が猛烈に寒い。根元まで行ってみたが残念ながら崩落が激しくて立ち入り禁止になっていた。 見上げると岬の北側の崖がむき出しで、地層がはっきり見える。注目されるのは何も走っている白い層だ。海底火山由来の火山灰や軽石からなる層である。激しい火山活動が想像される。 資料によると長者ヶ崎の地質は三浦層群逗子層という名称で新生代新第三紀(850万~350万

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    k10no3 2024/01/12
  • 水辺の野鳥たち2024 - 近場の博物誌

    カワセミがいた都市河川で別の日に見た野鳥たち。片っ端から写していった(数の多いカルガモは除く)。 ヒドリガモ(画像上) オスメスのペア。オス(奥側)は模様が複雑で、羽根の部分は赤茶色の絵の具を塗りたくったような感じだ。意外と迷彩色として良いのかもしれない。 マガモ(画像下) これもオスメスのペア。今は首を水に突っ込んで事に夢中だ。同時に頭を上げていることがほとんどないのでこのような2枚組になった。オスの羽根は光沢があり、メタリックグリーンの頭と黄色のクチバシが鮮やかだ。 オオバン ガンカモ科ではなくクイナ科。丸っこい体形と黒光りする体色、白い額(ひたい)が特徴だ。今の時期はまだカップルになっていない。近場にいるのはオオバンばかりで、額の赤いバンはまだ見たことがない。 キセキレイ この川はセキレイが多いが、ほとんどハクセキレイだ。少数ながらキセキレイもいる。動きが速く、飛ぶと黄色いものがひ

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    k10no3 2024/01/06
  • オナガ(鳥) - 近場の博物誌

    冬は植物が少ないため近場の鳥の観察を始めた。木々が葉を落としているので見つけやすい。普段「鳥がいるな」とは思っても、近づくと逃げるしすぐ飛び去るので詳しく見ることはない。最近購入した望遠レンズカメラの画像は鮮明で、遠くからでも細かいところまで確認することができる。 住宅地の一角にある雑木林。高い木々を見上げて静かに眺めていると梢を飛び回っている鳥に気がついた。身体より長い尾羽が特徴的だ。明るい空に対して逆光になり動きが早いため詳細はわからない。たまたま6、7羽集合しているのを見つけシャッターを切った。 画像を見るまでこんなオシャレな鳥だとは思ってもみなかった。羽根は淡い青色の長い裾を引きずる灰色の外套のようで、繊細な模様が美しい。白いふわふわのエリマキとセーターを着て、黒い帽子をかっぶったレディといった風情(ふぜい)である。 イメージは合わないがカラス科だ。中部以北の州に局地的に分布する

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    k10no3 2024/01/03
  • ヤハズエンドウの芽生え - 近場の博物誌

    季節外れの暖かさが続いたがようやく朝晩冷え込むようになった。近所を歩いていると草が枯れた空き地に鮮やかな緑の草が目についた。近づいて確かめると独特の葉と巻きひげが見え、春にカラスノエンドウが大きな草むらになっていたのを思い出した。(花の画像は3月下旬)夏以降いったん消えていたが、こんな季節に芽を出して葉を茂らせている。不思議な感じがした。 標準和名をヤハズエンドウ(矢筈豌豆)という。羽根がついた矢の後端を矢筈(やはず)といい、葉の先端が同じようにへこんでいることが名前の由来とのこと。画像では若い葉のせいか先端には小さな突起がある。名前も役に立たない意味のカラスノエンドウ(烏野豌豆)の方が一般的で、私はこちらで覚えていた。 原産地は中央アジアから地中海沿岸地方とされる。夏は高温で乾燥し冬に雨が降る地帯であるため、秋に芽を出して冬越し春から初夏にかけて花を付け実がなる。寒さには強いが高温多湿に

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    k10no3 2023/12/18
  • ノギクの花11月初旬 - 近場の博物誌

    11月に入っても昼間は暑い日が続く。それでも、多摩丘陵を歩いていると様々なノギクの花に出会う。季節はちゃんと進んでいる。秋たけなわだ。 ヤクシソウとシラヤマギク(画像上) 2週間ほど前に見つけたノギクの群生地に行ってみた。ヤクシソウ(黄色)はまだまだ咲き続けているが、さすがにシラヤマギク(白)は終わりかけだ。後者は花弁(舌状花)が6枚ほどしかないので他と見分けられる。 シロヨメナ(画像下) 上の2種類の近くに花畑が広がっていた。雑木林の林縁に咲くノギクである。2週間前はシラヤマギクと思っていた。その後花が増えており今盛りだ。 カントウヨメナ すぐ近くの谷水田の周囲の草むらに埋もれて咲いていた。花色の青紫色が強い。他の種類と異なり日向の湿った土を好む性質がある。よく似たノコンギクは近場では多いのだがこの付近ではほとんど見られない。 リュウノウギク ノギクの仲間では一番咲くのが遅い種類だ。11

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    k10no3 2023/11/08
  • 朝露と地衣類 - 近場の博物誌

    谷間はしっとりとした空気につつまれ、路面や草むらは朝露で濡れている。道の側面はコンクリートだが一面のコケで緑色が鮮やかだ。一部白くなっている部分がある。地衣類が混じっているようだ。 かすかに光を発している感じがしたので接写して調べてみた。(画像上)種類はヒメジョウゴゴケのようだ。よく見られるものだ。コケという名がついているが、地衣類の仲間である。ラッパのようなものは胞子を付ける子器で、体は根元で鱗片状をしている。 もともと緑がかった白っぽい土色で、レンガのようなザラザラした感触である。それが朝露で湿って透明感をが出ている。さらに表面に水滴がついてレンズのようになり、光がラッパの中に入って白く光って見えたようだ。 大きな集合(画像下)。これも細かい水滴を付けており感じが違う。何とも不思議な雰囲気である。「風の谷のナウシカ」の腐海のようだ。 すぐ近くにあったもの(画像下)。種類は今のところ不

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    k10no3 2023/11/07
  • 秋の花10月初旬(キク科) - 近場の博物誌

    近場に丘陵地の尾根が帯状に残ったところがある。周辺は全て住宅地だが、高度差があるためか開発が及ばず、手つかずの雑木林になっている。その中の小道を歩いた。出会った花はキク科が多かったのでまとめてみた。 コウヤボウキ(画像上) 林下の道沿いに群落をつくっていた。丸っこい葉が特徴的な小低木。キク科では珍しい木だ。今は小さな花を付けている。花びらがくるくるカールした細いリボン状になっている。 カシワバハグマ(画像下) 花がそっくりでコウヤボウキの近縁種と分かる。こちらは草。大きな葉の形が「柏葉」の名前の由来になっている。葉がボロボロだ。春夏に色々とあったのだろうか。林の中の日陰の植物である。 アキノノゲシ 明るい林縁で見かけた。この薄黄色が渋くて秋らしい花だと思う。8月ごろから咲き始め、初冬まで咲いていることがある。 シラヤマギク 花期は8~10月。今頃が盛りだ。草丈は1.2mぐらい。個々の花

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    k10no3 2023/10/08
  • コガモ到着(その2) - 近場の博物誌

    10月に入り季節外れの炎暑が収まり過ごしやすくなった。10日ほど前、コガモ(小型のカモ類)が4羽いつもの川に戻ってきたと書いたが、どういうわけがその後が続かなかった。例年ならもっと到着しているはずである。 昨日、7羽が揃って川べりに並んでいるのを見て嬉しかった。全員メスのような羽根色をしているが、オスがエクリプスといわれるよく似た夏型の羽根をしているためである。少し大きい方がオスとのこと。 遅れていたのは暑さが続いていたせいかもしれない。そういえば第一陣が着いた日も、炎暑が一時的に収まり涼しい北風が吹いた日だった。その後の厳しい暑さには彼らも参ったようで、日陰でじっとしているのを何度か見た。 彼らの夏の繁殖地はシベリアの北部である。寒さには強いが、暑さには弱いようだ。ここ数日涼しい北風が吹いていた。その気流に乗ってやってきたのだろうか。

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    k10no3 2023/10/04
  • コガモ到着 - 近場の博物誌

    いつもの街中の川。今年も北からコガモ(小鴨)たちが越冬のため戻ってきた。日のカモ類の中では一番小型の種類である。今後次々と到着するはずである。 一昨日久々に見かけた。4羽おり盛んに羽根繕いをしていた。今は流れに首を突っ込んで川底の藻をべている。彼らがいると夏場寂しかった川面が急に活気づく。 繁殖地は真北のユーラシア大陸北部だ。コガモそのもののデータはなかったが、ビーコンを使った調査では類似のガンカモ類はなんとシベリアの奥地、北極圏の島まで渡って繁殖するそうである。大陸を突っ切り、日海を渡り、2000m級の山脈を越えてきたのだ。 そう思うとなんとも精悍な顔つきに見える。今の時期オスはエクリプスといわれるメスと同じ地味な羽根色をしているのでワシなどに襲われにくい。この後オスは徐々に換羽し婚姻色に変わっていく。 常に動き回るためうまく写真が撮れない。こちらに背を向けるので対岸に回り込むと反

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    k10no3 2023/09/23
  • 9月中旬里山の花 - 近場の博物誌

    近場の住宅地。低い丘陵が自然公園として残されている。草刈りなど手入れがされておりかつての里山の植物がみられる。まだ蒸し暑い日曜日に歩いた。 ハギの花と黄蝶(画像上) 秋の七草にも入っている萩の花は今盛りだった。少し派手なので園芸種のミヤギノハギが野生化したものか。黄色い蝶が何羽も飛んでおり、モンキチョウのようだ。ハギのようなマメ科植物を草とする。 ワレモコウ(画像下) バラ科だがとてもそうとは思えない独特の形をしている。長い花茎に花弁のない丸い穂のような花を付ける。日在来種で万葉の昔から愛でられている。風に揺れる姿が秋らしい。 オミナエシとオトコエシ オミナエシ(女郎花)も秋の七草。その白花版のオトコエシ(男郎花)と並んで咲いていた。ツリガネニンジンも見える。 カワラケツメイ マメ科。オジギソウのような葉に小さな黄色い蝶型花を付ける。河原に多かったが河川の改修で減少し、絶滅危惧種になっ

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    k10no3 2023/09/19
  • 石神井(しゃくじい)池:水辺の植物 - 近場の博物誌

    牧野記念公園から街の中を15分ぐらい歩くと石神井公園に出る。細長い池を中心にした広大な公園である。池の水は不透明だが明るい色で、周辺に緑が多い。水辺特有の植物を中心に見て回った。 ラクウショウ(画像上) メタセコイアとよく似た目立つ 木だ(画像では中央の高い木)。アメリカ東南部原産。かつて、公園のシンボルツリーとして植えられたものと思われる。葉がメタセコイアより小さく羽根のようで、秋に落葉することから「落羽松」、というのが名前の由来。今は大量の実を付けている。湿地を好むので「沼杉」ともいう。 コウホネ(画像下) 遠目に侵入種のホテイアオイかと思ったら在来種のコウホネ(河骨)であった。スイレン科。多年生の水生植物。水面下、泥の中の地下茎が白い棒状で、骨のように見えるのが名前の由来。5枚の黄色い花びらはじつはガクで、直径5~7㎜と小さいがよく目立つ。 ミソハギ 田の周辺など水辺を好む植物。仏様

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    k10no3 2023/09/13
  • 雑草の花:8月下旬 - 近場の博物誌

    野菜の栽培をしていると夏場は雑草との戦いになる。しかし草取りをして1週間もするとまた伸びてきて、花までつけている。今回は畑で見かけた雑草の花を紹介する。意外に畑でしか見かけないものがある。 畑地は常に耕され手入れされているため、一般の空き地と違ってあまり背の高い雑草は生えない。日当たりが良く栄養も豊富なので、小型の雑草でも成長が早い。しかも大量の種をばらまくので始末に負えない。 ウリクサ(画像上) アゼナ科。従来はゴマノハグサ科に含まれていた。茎が立ち上がってもせいぜい10㎝ぐらいと小型。花には白地に紫色の模様があり、長さ約8㎜、幅5㎜と小さい。葉は対生して長さ1㎝ぐらい。粗い鋸歯がある。実が付くとマクワウリに似ているそうだ。 オヒシバ・メヒシバ・エノコログサ(画像下) 雑草の大部分がこれ。頑強に根を張っていて抜くのに苦労する。花も実もどっさりつけているが緑一色で目立たない。イネ科の雑草は

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    k10no3 2023/08/27
  • スベリヒユの花 - 近場の博物誌

    スベリヒユ科の一年草。畑や道端など日当たりの良いところに多く、市街地でも普通に見られる。「すべり」の名は葉がツルツルして光沢があるためという。踏むとヌルヌルして滑る感触がある。 代表的な畑の雑草だ。枝分かれして地面を這うように伸び、径30㎝以上にも広がっているものがある。葉や茎が多肉植物のように肉厚で水を保持できるので乾燥に強い。繁殖力旺盛。1枚の葉からでも再生するので除草が厄介だ。 花期は7~9月で径6,7mmの黄色い五弁の花を咲かせる。ごつい感じの葉や茎に対して小さく可憐な花である。以前からちゃんとした花を見たかったがなかなか出会えなかった。 花は1回しか開かずそれも短時間だ。私が観察したところ、朝7時半に開花し、10時ごろにはもうシボんでいた。そのため画像のようにきれいに開いたものを見ることは珍しい。 園芸種は花が大きく各色あって、学名からポーチュラカと呼ばれる。花壇に植えられるマツ

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    k10no3 2023/08/20
  • 8月上旬の花 - 近場の博物誌

    ここ10日ばかりの間に街中や近場の公園などで出会った真夏の花。 キキョウ(画像上) 公園で見かけたもの。涼しげな花色から秋の花の印象があるが6~9月の夏が花期である。山野の日当たりの良い場所を好むとのことだが、今やそんな環境はなくなりつつあり、自生株は絶滅危惧種になっている。 キツネノカミソリ(画像下) ヒガンバナ科。8-9月ごろの野の花。近場の雑木林の林縁などに点々と朱色の花が見られる。葉は早春に伸びてきて夏場には枯れるため、花穂だけが地面から突き出している。 コヒルガオ 街中のフェンスに絡まって多くの花を付けている。花期は6~8月でまさに夏の花だ。よく似たヒルガオとは花茎にヒレ(シワ状の翼)があることで見分けられる。葉が細長い点でも異なる。 ヤブミョウガ ツユクサ科の多年草。木の多い谷戸など薄暗くて湿気が多い場所に一面に広がっていることがある。夏の間咲き続ける。 ワルナスビ ナス科の雑

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    k10no3 2023/08/11
  • パクチーの花と実 - 近場の博物誌

    野菜畑の一角でパクチーが栽培されており花を咲かせていた。高さ50㎝以上に伸びていて、葉が上の方ほど切れ込んで糸のように細くなっているので別の植物のようだ。 花は径5㎜ほどと小さく、よく見ると5枚の花びらが非対称に伸びており面白い形をしている。実は球形でトマトのヘタのような突起が付いている。拡大すると全体にバランスが取れていてなかなかきれいだ。 セリ科の一年草。若い葉はパクチーと呼ばれ、クセのある香りで料理のトッピングなどに使われる。パクチーはタイ語由来。中国ではシャンツァイ(香菜)という。英名はコリアンダーだ。実や種は香辛料としてカレーなどにも使われる。同じものだとは調べてみるまで知らなかった。南ヨーロッパ、地中海沿岸から小アジアの原産で、3000年以前から世界中で香料や野菜として利用されてきた。 実がなると全体に枯れる。茶色になった実には種が2個入っており、乾燥すると独特の臭みが消えてフ

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    k10no3 2023/08/11