ブックマーク / m-majipan.hatenablog.com (153)

  • 都市河川のカモ - 近場の博物誌

    マガモのいた川で見かけたカモの仲間2種。やはり北で繁殖して秋冬に飛来する冬鳥で、習性も似ている。いずれも2~3羽で水面を行ったり来たりして泳いでいる。 ヒドリガモ(画像上) 手前♂、奥♀。画像でははっきりしないが、他のカモ類に比べて身体全体が赤っぽく、赤い鳥という意味で「緋鳥(ひどり)」と呼ばれていたことが名前の由来である。オスは頭から胸にかけて明るい赤茶色で、額から頭頂にかけて黄色。羽根の一部が白いのが目立つ。メスは全体に茶色っぽく目立たない。 オカヨシガモ(画像下) 手前♂、奥♀。オスは頭が茶色で身体は灰色っぽい。お尻のあたりの上下の黒い模様が目立つ。類縁にヨシガモという種類がおり、川や内湾などヨシ(葦)の生えているところにいるカモという意味。より陸に近いところにいるヨシガモで丘葦鴨というのが名前の由来とのこと。メスは他の種類と見分けにくいが、クチバシが黒くて周囲がオレンジ色なのが特徴

    都市河川のカモ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/01/03
  • マガモのカップル - 近場の博物誌

    少し前にオオバン(鳥)を見た都市河川。沿道を逆コースで下ってみた。晴れて寒いが正月で空気が澄んでおり、歩くと気持ちが良い。すぐ目に入ってきたのがマガモである。画像ではオスメス寄り添って泳いでいるが、じつは一緒にいたのはオス1羽とメス2羽で、どういう関係かわからない。 夏場に北海道以北シベリアなどで繁殖し、秋冬に州以南に飛来する冬鳥である。オスは頭が緑色の光沢がある黒色で、光線の加減で青く見えることもある。クチバシは黄色。身体は全体に白っぽく胸から背中にかけて紫がかった褐色のため白い首輪があるように見える。一方メスは薄い茶色に黒褐色のうろこ状の模様がある。クチバシは黒くオレンジ色の縁取りがある。カルガモによく似ているが目の周りの隈取りのような線が薄く、羽の模様も目が細かいようである。 真鴨というくらいで普通のカモだが、近場ではあまり見かけない。他のカモ類と同じように水面を泳ぐのは得意だが、

    マガモのカップル - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/01/02
  • 初冬の街散歩 - 近場の博物誌

    寒さが格的になってきた。紅葉はほぼ散っており、道端の草も枯れている。街中を歩いて植物を探してみた。 12月の花といえばサザンカである。街を歩いていると色々な園芸種に出会う。画像は赤色のカンツバキと呼ばれるタイプだ。椿という名がついているが、花びらが一枚ずつ分かれていて平面的に広がり華やか、という特徴があり、サザンカの仲間である。原種は白花で、西南日の山野に自生している。一度野生のものを見てみたい。 イソギク(上) 民家の庭先などでよく見かける。今頃咲く草の花は珍しい。(花壇のパンジーなどを除く)花びらがなく筒状花のみだが黄色が鮮やかだ。来は海浜の植物である。冬の三浦半島の海岸ではツワブキなどと一緒に咲いている。陽光あふれる浜辺によく映える。 地味で目立たないがヤツデやビワも冬に花が咲く。昭和期ぐらいに建てられた民家の庭などに多い。丈夫で育てやすく、ビワは実も楽しめるのでよく植えられた

    初冬の街散歩 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/12/26
  • ハマヒサカキの花 - 近場の博物誌

    里山の環境を残した公園を歩いていて見つけた花。今の時期サザンカなどを除いて咲いているものは珍しい。雑木林の林縁で大きな木の陰になっており、直径4㎜ぐらいと小さい。今の時期でなければ見逃してしまうだろう。 ツヤのある深緑の葉には鋸歯があり、一見してヒサカキの仲間と分かる。ただし花期はヒサカキが3~4月であるのに対し、今頃(10~12月)である。またヒサカキの葉は先が尖るが、こちらは先が丸い。花びらは5枚。雌雄別株で、画像のものは多くの雄シベが見えるので雄花のようだ。 サカキ科の常緑低木。州中部から沖縄にかけての海岸に分布。丈夫なので街路樹などにも使われる。サカキやヒサカキと違い神事には用いられない。これらに特有の花の匂いはやはりある。悪く言えばガスに付けられている臭い。よく言えばちょっと癖の強いお香のようにも感じる。

    ハマヒサカキの花 - 近場の博物誌
  • コマユミの実 - 近場の博物誌

    植物園の近くに有名な玉川上水(たまがわじょうすい)が流れている。江戸に飲料水を提供するために江戸時代前期に作られた大規模な水路である。両岸は雑木林になっており遊歩道が通じている。コナラなどの落葉高木が多く明るい日陰を作っており、歩くと気持ちが良い。大昔の武蔵野(むさしの)はこんな感じだったのだろうか。 画像は下生えの低木の中で見つけた木の実である。赤黒い果皮からツヤのある朱色の種が1、2個顔を出しており色合いが美しい。調べるとコマユミというニシキギ科の植物であった。マユミ(檀、真弓)の実は派手で野山で見ることが多い。確かにこれは小型のマユミと言えるかもしれないが、どちらかというとニシキギのほうによく似ている。 ニシキギは高さ1~3mの低木で、錦(華麗な織物)と書かれるほど紅葉が美しいのでよく庭に植えられている。枝に薄いコルク質の出っ張り(翼、よく)があるのが特徴だ。コマユミはそっくりだが翼

    コマユミの実 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/11/13
  • リュウノウギク - 近場の博物誌

    ノギクばかりが続いて恐縮だが、今の時期は他の花が少ないので仕方がない。今回はリュウノウギクだ。近場の野山では一番花が遅い種類である。花に対して葉や茎が小さく華奢だがどっさりと咲く。白花で地味。しかし今頃は葉が紅く色づき独特の風情(ふぜい)を醸し出している。 葉や茎の香りが中国伝来のお香である竜脳(りゅうのう)に似ているというのが名前の由来である。今は空気が冷たいせいか嗅いでもよくわからない。実際にはクスノキから採れる樟脳(しょうのう)に似ており、樟脳の香気成分であるカンファ―が多く含まれるとのこと。 日固有種で州を中心に広く分布する。近場の南関東でも野山に普通というが、植物園や公園に植えられていることが多い。私はまだ野生のものを見たことがない。陽だまりに残ったノコンギクなどと見分けがつかず通り過ぎてしまうせいかもしれない。

    リュウノウギク - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/11/10
  • シマカンギク - 近場の博物誌

    これも薬用植物園にあったノギクの一種。近畿地方以西の海岸や日当たりのよい山地に自生する。台湾中国南部にも分布する南方系の植物である。海岸などに生え初冬まで咲き続けるため、島寒菊というのが名前の由来らしい。 現在の栽培種のキクの原種の一つとされる。そういえば葉の形が普通のキクによく似ている。大昔に中国で南方系と北方系のノギクの自然交配で生まれたと考えられており、日には平安時代に渡来した。 花期は10~12月。頭花は直径2~2.5㎝で多数付く。普通の小菊にも見えるが、舌状花の花弁が短くて丸っこく稜線があり、ダリアに似ている。舌状花にも筒状化にも冠毛はない。 なぜ薬用植物園にあるかというと、乾燥した花が「キクカ」と呼ばれる生薬(しょうやく)として漢方医療で用いられるから。他の花が枯れ寒さに向かう季節に咲く花として生命力を貰う意味もあるのだろうか。

    シマカンギク - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/11/09
  • サフランの花 - 近場の博物誌

    11月に入りノギクなどを除き野山は寂しくなった。ナラ枯れのせいか今年は紅葉もパッとしない。珍しい種類の植物出会えるかと東京都立薬用植物園(東大和市)を訪ねてみた。入場するとすぐのところにサフランの大きなポットがあった。 早春の花壇でよく見るクロッカスの仲間である。違いは秋(10-11月)咲きであることと、薄紫一色であること。さらに雌シベが長く、芳香を持つことなどである。夏(8-9月)に咲く似た花があるがサフランモドキと呼ばれる別種だ。 アヤメ科の球根植物。小アジアや地中海地方原産。古くから知られており、エキゾチックな響きのある名前は古代ペルシャ語に由来すると言われる。草丈は15㎝ぐらいと小柄だが花は大きい。細い松葉のような葉は花後に更に伸びる。花は薄紫色に紫の筋が入り中央に黄色い雄シベが目立つ。垂れている赤いヒモのようなものは雌シベで、3ある。黄色い色素を含み、スペイン料理のパエリアなど

    サフランの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/11/07
  • 寝ているコガモの群れ - 近場の博物誌

    いつもの街中の川。朝8時半。よく晴れて気温が下がったせいかコガモたちはまだ寝ている。異常なほど集まっているので数えてみた。対岸のものも加えるとなんと34羽が10mぐらいの間に並んでいる。上下1㎞ぐらいはまったく見かけない。みんな無事なのが嬉しい。 日によっては数羽ずつ川のあちこちに分散している。大体は流れに首を突っ込んで藻をべているか、岸で盛んに羽をつくろって(?)いる。鳴き声はたまにピッというような高い声が小さく聞こえるだけだ。これはオスの声らしい。 先にコガモのオスについて夏はエクリプスというメスそっくりな地味な姿をしており、11月ぐらいに換羽して派手な婚姻色に変わると書いた。もうそろそろかなと思っているのだがどうもはっきりしない。実をいうと1羽だけ10月前半から換羽したものが混じっていた。しかし他は変化がない。 下は2,3日前の泳いでいる画像だが、よく見ると頭の先が赤茶色っぽくなり

    寝ているコガモの群れ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/10/29
  • キンエノコロ - 近場の博物誌

    エノコログサの仲間の一年草。名前は穂に黄緑色~茶褐色の硬い毛が多く、陽を浴びると金色に光って見えることから。穂は垂れず直立する。日当たりのよい田の畔(あぜ)や路傍などで見かける。近場ではエノコログサと比べるとマイナーな存在である。 画像は、谷戸の水田の畔に生えていたもの。水田ではイネが穂を垂れている。実った稲穂は少し山吹色を帯びていて黄金(こがね)色と形容されることがある。キンエノコロも色が似ているのが面白い。同じイネ科だから当然かもしれないがエノコログサとは印象が大きく異なる。 下の画像は、箱根芦ノ湖付近の湿地でみたキンエノコロの群生である。穂が全体に短いので厳密にいえば亜種かもしれない。一面に広がっているとなかなか美しく見ごたえがあった。

    キンエノコロ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/10/02
  • ノハラアザミと蝶 - 近場の博物誌

    2週連続の週末台風でどこへも行けなかった。やっと最終日の今日穏やかに晴れたので多摩丘陵の谷戸を歩いてみた。まだ大雨の名残で植物はグッショリと水を含んでおり道は一部川になっている。しかし谷水田は無事で黄金色の稲穂が実っている。その周辺や雑木林の林縁はいつの間にかいろいろな秋の花が咲き始めていた。 ノハラアザミは近場の秋のアザミの代表である。花は上向きで、花茎は分岐せずひとつづつ花を付ける。秋のアザミの中では大ぶりだ。全体に明るい印象で久しぶりの陽光に良く映えている。8-10月に咲き続ける。今年は林縁の草むらに群れ咲いているのをよく見かけた。 蝶が止まっていたので思わずシャッターを切った。キタテハかと思ったが、沈んだ色合いである。タテハの仲間はオス/メスや夏型/秋型で模様が異なる。ネットで調べると明らかにキタテハではない。こうなるとよく似た種類が多い。羽根の形と豹柄の模様から一応ミドリヒョウモ

    ノハラアザミと蝶 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/09/25
  • カラムシの花 - 近場の博物誌

    里山や古くからの民家の周辺に多く、半日陰のようなところに群落を作っている。この仲間は葉だけ見ているとそっくりである。よく見ると区別はできるのだが、はっきりしたことは花の時期を待つしかない。花といっても花びらのない薄緑色の小さなものである。 イラクサ科の多年生植物。草丈は1m以上になる。冬、地上部は枯れるが地下茎が残っていて翌年また群落を形成する。葉は互生(よく似たヤブマオは対生)して縁に明瞭な鋸歯がある。葉裏は青白い。花は葉の付け根に房状に着く。雄花と雌花があり、雌花は同一株の先端の方に着く。 茎の皮から丈夫な繊維が採れるため古くから栽培されてきた。江戸時代に綿の利用が一般化するまで、自家で栽培したものを原料にして衣類や縄などにして使われてきたとのこと。これで人里の近くに群落が多いことが納得できる。植物から自分たちの祖先の生活を想像してみることも面白いと思う。

    カラムシの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/09/18
  • 今年のツルボ(花) - 近場の博物誌

    多摩丘陵にある神社の境内。秋祭りに向けて8月下旬に草刈りが行われスッキリしたなと思っていた。その後気が付くとツルボが一斉に花穂を出して秋風に揺れていた。これまで2,3回書いたが、今年は特に見事で広い面積が薄赤紫色の花でいっぱいである。 キジカクシ科の球根植物。もう半月近く咲き続けている。気を付けて歩くと都市近郊でも見られる場所が結構ある。しかしサクラなどの木の下で半日陰だし、園芸種の花と違って控えめな色合いなので近くを通らないと咲いていることも分からない。 いつも思うのだが、画像にすると印象が違ってしまう。実物はもっと広がりがあり感動的ですらある。頭の中で花の美しい部分が増幅され、バックの建物などが消去されてしまうためかもしれない。

    今年のツルボ(花) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/09/12
  • ハグロソウ - 近場の博物誌

    先日キツネノマゴについて書いた。日では珍しい種類と思っていたが、都市近郊の低山を歩いていて早速その仲間に出会った。 同じように花びらは2枚で、色合いは白地に赤紫色。模様はよく似ている。しかし、花は上下2㎝ぐらいと目を引く大きさである。2枚の苞(ほう、ガクのようなもの)の間から花びらが出て反りかえる。日では花びらが2枚の植物は少ないかもしれない。ツユクサは2枚だが来は3枚で、退化した1枚が下向きについている。 キツネノマゴ科の1年草。関東地方以西の山林や林縁の半日陰に自生する。名前は「葉黒草」と書き葉の色に由来する。画像では葉が若いせいか明るい色だが、濃い緑色で、確かに木陰など薄暗いところで見ると黒く見える。それだけにポツポツと咲いた白っぽい花が際立つ。

    ハグロソウ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/09/05
  • キツネノマゴ(狐の孫) - 近場の博物誌

    9月に入った。数日天気が悪く低温の日があったが、また蒸し暑さが戻ったようだ。今頃咲いているのがこの花だ。場所は公園の林縁。草丈は20㎝ぐらい、花の大きさは5、6㎜である。小柄で地味なので注意して見ないと通り過ぎてしまう。 近づいて見ると、ピンクの模様が入った白い花と明るい葉の色がカワイイ。この植物に出会うのはいつも夏の終わりごろのような気がする。夏草と秋の花の端境期で他に目立つものが少ないせいかもしれない。 キツネノマゴ科というものがあり、世界的には結構派手な仲間がいる。ただ、ガガイモ科と同じで、日のものは何故か小さくて地味になってしまう。花穂がフワッとした毛におおわれており、花が終わった後黄褐色に変わる。これが小さいキツネのシッポに似ている(と思う)。

    キツネノマゴ(狐の孫) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/09/02
  • 道端のガガイモ - 近場の博物誌

    いつもの川沿いの道は端が30㎝程舗装されておらず、日当たりが良いので様々な植物がみられる。一部は沿道の民家の花壇になっていたりするが、今はイネ科の雑草やヨモギなどが茂っている。ヒメジョオンの花が目立つ中で、ちょっと変わった白い花に気が付いた。 奇妙な名前だがキョウチクトウ科の一年草である、10個以上の花とつぼみが塊を作っている。五裂した花の直径は1㎝ぐらい。よく見ると薄紫の模様があり白いモールのような毛におおわれている。つる性だが絡みつく雑草の丈が低いため草に埋もれるように伸びている。葉は細長いハート形でヘクソカズラのものに似ている。住宅地の真ん中の道端でこういうものを見つけると嬉しくなってしまう。 日及び東アジアに分布。以前はガガイモ科として独立していた。調べてみると旧ガガイモ科は世界的に種類が豊富で、多肉植物のタイプは奇想天外な花や姿かたちのものが多い。一度検索してみられることをお勧

    道端のガガイモ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/08/28
  • セイバンモロコシ - 近場の博物誌

    郊外のマンション群の道路沿い。赤っぽい花穂のススキのような植物が群生していた。草丈は人の身長ぐらい。葉はススキそっくりである。 イネ科モロコシ属の多年草。モロコシ(蜀黍)は穀類の一種で、トウモロコシとは別系統である。セイバンとは西播(蛮)と書き、昔の中国から見て西方の野蛮国を意味するが、原産地ははるかに遠く地中海沿岸である。日では第二次大戦後急激に増えて帰化している。毒成分を含むので牧草には向かず、繁殖力旺盛なため厄介な雑草と化している。 花穂は長さ5㎜ぐらいの小穂からなり、有柄と無柄のものが混じる。小穂から出ている赤いブラシ状のものは雌シベ、オレンジ色の短冊状のものは雄シベだ。無柄のものには普通ノギ(針のような長いトゲ)が付く。拡大してもノギが見えないので、ノギのない型(ヒメモロコシ)と思われる。

    セイバンモロコシ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/07/25
  • ジャコウアゲハの幼虫 - 近場の博物誌

    昨年の今頃ウマノスズクサを撮った場所に行ってみた。花は咲いていたが、どこか妙な感じである。見ると黒い芋虫が付いていて葉をモリモリべている。ジャコウアゲハの幼虫とすぐわかった。実際に見るのは初めてだ。 アゲハの仲間である。幼虫は4-5㎝ぐらい。黒地に白い筋が入り多数の突起に覆われている。前の方の突起には先端に朱色の粒が付く。何とも言えない不思議な造形である。普通のアゲハも幼虫は白と黒で、鳥の糞に擬態していると言われるが、終齢幼虫は目のような模様のある緑色に変わる。ジャコウアゲハは終齢でも白黒だ。 ウマノスズクサ(下の画像は花)を草とするので有名。この植物には毒成分が含まれており、幼虫から成虫まで体内に蓄積する。そのため天敵の鳥がべても吐き出すそうである。またこれに懲りた鳥はもうべない。奇怪な姿は鳥に対して目立つためもあるのだろう。うまくできている。 最後に以前撮影したジャコウアゲハの

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    k10no3 2022/07/19
  • いつの間にかエノコログサ - 近場の博物誌

    7月半ばにしてまた梅雨が戻ってきたようだ。ふと道路沿いの空き地を見るとエノコログサの花穂であふれかえっている。つい最近までは見えなかったと思う。最近の高温と雨で一気に伸びてきたようだ。 ここは春先からカラスノエンドウが群落になっており、それが黒くなって枯れた後はツユクサなどが咲いていた場所である。一方、画像奥にはススキがもう伸び始めており、次々と植物が遷(うつ)り変わっていくのに季節を感じる。 イネ科の1年草。花茎は少し斜めに出て長さは1m近くある。穂は長さ8~10㎝あり垂れる。どこでも見かける雑草だが、今年は特に多いように思う。

    いつの間にかエノコログサ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/07/15
  • アキノタムラソウ2022 - 近場の博物誌

    この花を取り上げるのは3度目だ。透明感のある薄紫色が涼しげで好きな花である。オオバギボウシなどとともに、谷戸(やと)の林縁に夏草に埋もれて咲いていた。丘陵地の半日陰のような場所に多い植物である。 シソ科。春のホトケノザなどと異なり、長い花穂を伸ばす。このタイプが多い秋のシソ科の花の先駆けをなすものである。 「アキノ」と付いているが、7月から11月まで長期間見かける。「タムラ」は、寄り集まる意味の「たむろ」から変化したとのこと。一度群落になったものを見てみたい。

    アキノタムラソウ2022 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/07/10