ブックマーク / ururundo.hatenablog.com (1,017)

  • オリオン座と月光 - ururundoの雑記帳

    昨日の夜 夫と私は 若い友達の別荘へ行った。 うちから車でくねくね道を20ぷんほど 山の中に小さな小屋があった。 枯草色の景色の中の 小屋の中から漏れる淡いオレンジ色の灯が 心に沁みる。 そして 小屋から見える 車のライトも 同じように 心に沁みるのだ。 そろそろお開きだと 表に出て 見上げた空のオリオン座。 月から降り注ぐ光の明るさ。 夜に表にあまり出ない私は まるで 都会から来た人のように 星座や 白い月に驚くのだ。 細い山道を 来た時と同じようにたどり 前や後ろに月を見ながら 帰宅した。 うちの小屋の上にも オリオン座 月の白い光が 同じ様に注いでいるのだった。

    オリオン座と月光 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/12/08
  • 木の器と焦げたケーキ - ururundoの雑記帳

    いつものレシピで いつもの温度。 だけど 焼き上がったココアケーキの表面は 光るチョコレート色ではなく 瓦の様なビジュアルと 焦げた匂いだった。 オーブンが変わると こんなに違うのだという 見のような焼き上がり。 四角のケーキを16等分に切り 上をガリガリと削った。 16分の1のケーキを 又 三っつに切り 木の器に入れた。 そして 粉砂糖を紅茶のストレーナーで パラパラとかけた。 淡い茶色の器に 白の砂糖を被った 濃いココア色々のケーキ。 意図しない 相性の良さだ。

    木の器と焦げたケーキ - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/12/06
  • 木の器 - ururundoの雑記帳

    何年も 薪棚のすみに 埃を被っていた木の器。 それは 夫の友達が ストーブの焚き付けになる木端をくれた時 その中に混じっていたものだ。 紙の様に軽く薄い 手のひらに載るほどの小ささ。 底には「鴨社」と焼印が押してある。 下鴨神社のすぐ近くに住む友達の家が 葵祭の時に使った神事の器かもしれない。 私はそれを手のひらに載せ 「焼いてしまうには勿体無い」と思った。 漆が塗られていない 素のままの器。 さっと水で洗い 布巾で拭き 乾くのを待った。 そして オリーブオイルを布に浸し 軽く力を入れて 綺麗に塗った。 そして もう一度乾拭きをすると 木目も美しい 艶と深みのある器になった。 40年ほど前に買った木のスプーンも オリーブオイルを塗り 乾拭きをした。 重ねた器にスプーンを入れ 棚に載せた。 クッキーやチョコレートを入れてもいいが 眺めるだけでも 心が喜ぶ。

    木の器 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/12/04
  • 初冬の始まり - ururundoの雑記帳

    町に三つほどの用事で出かけた。 昼前に出かけ 帰って来たのは夕方4時ごろ。 明るいうちに帰る事が出来た。 帰り道に 思わず車を止め眺めた空。 輝くような初冬の山の村 白い靄が山を駆け上る。 帰宅後 燃えるゴミを収集場所に運ぶ。 空は はや灰色に変わり 小さな白い半月が浮かぶ。 北の国では 雪が積もった。 こちらでは山の頂が冠雪した。 小屋のそばの木々に シジュウカラがやってきては ツーピピと鳴いた。

    初冬の始まり - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/12/03
  • 白い太陽 - ururundoの雑記帳

    灰色の空の向こうに 白い太陽が見えた。 それが 葉の落ちた細い木の枝から透けている。 ドアを開けると 真っ直ぐに飛び込んで来た モノクロの世界の 枝に残った木の実と 黄色の葉っぱの繊細な影。 いかにも 晩秋の寂しさだ。 しかし 植物たちは もう次の春の準備をしているのを 私は知っているよ。 木蓮のはち切れそうな蕾 どの木の枝にも 見えないほどの新しい芽 茶色の百合の莢からは 種がパラパラとこぼれ落ち ミヤコワスレの株は 随分と大きくなった。 雪が降れば その下で春を待つ植物たち。 その忍耐強さを 私はいつになっても見習えない。

    白い太陽 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/12/01
  • 強い南風 - ururundoの雑記帳

    午前10時頃 強い南風が吹いてはいるが 乾いた空気と 明るい日差しで なんとも気持ちのいい晩秋の朝だ。 数日前から 道路脇に居場所を決めた 黒いカラスの一枚の羽。 風に飛ばされもせず まだそこに在り 黒い毛虫が アスファルト道路を 急いで横断中。 そして 薄茶色に枯れたの草の上に 私の長い影が 足を踏ん張り 偉そうにしている。 ススキの枯れた穂や葉が うねる様に風に吹かれて そして 空を行く雲も同じように 風に吹かれて 旅を続ける。

    強い南風 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/29
  • 玄米飯 - ururundoの雑記帳

    ご飯を土鍋や高価な炊飯器で炊く人がいるが 私は実家から離れて住む学生が使うような 安価な炊飯器で ご飯を炊いている。 普段は スーパーで買うコシヒカリを 秋には 集落の人からいただく新米をべる。 集落の人たちは コシヒカリと 少しだけミルキークイーンを作る。 ミルキークイーンは 艶と甘味と米のような粘りだ。 素直に美味しいと思う。 そして今日 新米の玄米を炊いた。 炊飯器の蓋を開けると 見事な炊き上がり。 しっかりとした感には 力強さがあり 色は 素朴な薄茶色。 牛肉の切り落としを 生姜と醤油と砂糖で 甘辛く 炒め煮にしたもの。 赤蕪と白蕪のなます 大根葉 厚揚げ わかめの味噌汁 そして 玄米飯で シンプルな夕ご飯とした。

    玄米飯 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/26
  • 風の姿 - ururundoの雑記帳

    風が吹いても 姿は見えない。 「ピュー ゴー ヒュー」は 風の走り去る時の音だ。 小屋の近くの道路の脇に 吹き溜まった枯れた松葉のカール。 優しく丸まった松葉の形を 上から眺めていると これが風の仕業 風の形なのではと思う。 街中の歩道に吹き寄せられた枯葉 そこにも 風の姿があるのでは。 先日 丹波立杭を歩いた時 櫟(くぬぎ)だろうか 枯葉色の 美しい葉っぱを踏み締めた。 風に吹かれて 枝から落ちた葉っぱ。 落ちた葉っぱは 風の姿だ。

    風の姿 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/22
  • 恒例の芋煮会 - ururundoの雑記帳

    今日は雨の1日だと天気予報で言っていた。 しかし 曇ってはいたが何とか持ち堪え いつものメンバーと 恒例の芋煮会を楽しんだ。 大きな小芋をゴロンと入れた 具沢山の味噌味の芋煮。 玉子焼 赤と白の蕪の甘酢漬け。 白菜 油揚げ ネギのサラダは 白菜と油揚げをフライパンでこんがり焼き ネギはざくりと切り 友達が作った玉ねぎと醤油のドレッシングで和えた。 甘味と艶のご飯「ミルキークイーン」のおにぎり。 ソーセージの燻製(もどき?)と焼き芋。 チェリー入りのヨーグルトケーキとコーヒー。 メインは芋煮だから こんなもんでいいだろう。 事が終われば表で焚き火をした。 暗くなればLEDランタンを灯し その明るさに皆が驚き 山の紅葉に 今年は間に合ったと皆で喜んだ。 そして雨が降り始め お開きとした。 トミコさんの畑で貰った 大根や白菜を分け では 又来年と帰って行った。 今 雨の降る音がする。 川の音が

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    k10no3 2022/11/21
  • 山茶花の花びら 枯れた松葉 - ururundoの雑記帳

    枯れた松葉 白い山茶花の花びらが 雨あがりの苔の上に ふわりと在る。 拾った松葉と花びらを 私が苔の上に載せたのではない。 あたり一面に散っている松葉と花びら。 その一画を 選んで撮っただけだ。 ふわりとした苔に座り 白い山茶花の花びらで 露を飲み 松葉のスティックで 冬苺をつまむ。 そんな小人を思い浮かべる 自分が可笑しいな。 山の紅葉の最後の輝き 雨あがりの湿った冷気。 灰色の空の下で 見つけた 少し傷ついた白い花びらと 枯れた松葉の清々しさを愛でよう。

    山茶花の花びら 枯れた松葉 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/18
  • 黄色と赤の葉の色が濃くなった - ururundoの雑記帳

    ガソリンスタンドの 国道を挟んで向かいのバス停。 余りにも見事な紅葉を ガソリンを入れてもらっている間 ぼんやりと見ていた。 そして 車の窓を開け カバンからスマホを取り出し 少しだけ 拡大にして撮った。 今年は 山の広葉樹の色付きが遅く ここ数日で 茶色の葉っぱは散ってしまい 黄色と赤の葉の色が濃くなった。 車を走らせていると 黄色の葉が散っている様に感動する。 霧雨に煙る山に 靄が立ち上るのも美しい。 冷たい空気の毎日 マフラーをして 外に出るのが気持ちいい。 煙突から立ち上る 白い煙が好きだ。 濃いめの熱いインスタントコーヒーを啜ると 鼻の先や頬に湯気を感じる。 日暮れの早いのが 気忙しいが 冬至が来れば 又 少しずつ昼間が長くなる。 それが嬉しい。

    黄色と赤の葉の色が濃くなった - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/17
  • 落ち葉 - ururundoの雑記帳

    小屋の周りの落ち葉も 鮮やかな色の葉が増えてきた。 風が吹けば はらはらと 春の桜の花びらのように舞い落ちる。 ポプラにつく 黄色の小さな毛虫。 それをべに シジュウカラが群れてくる。 私を見つけると 警戒の鳴き声で みんなに知らせる。 冷気が気持ち良く 首に一枚のマフラーを巻くと 指の先までが暖かくなるようだ。 夜に 友達に貰ったスコッチウィスキーを 好みの湯呑みに注ぎ お湯で割る。 湯気と共に芳醇な香りが 小屋の中に漂う。 拾った落ち葉を台に並べ 写真を撮る。 ふうっと ため息をつく程に美しく 葉書にしてみよう。 そして ラインではなく これで友達に便りを出そう。

    落ち葉 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/15
  • 丹波焼の地 立杭行き - ururundoの雑記帳

    丹波立杭に行った。 JR相野駅で4、5年振りで会うAさんと待ち合わせて バスで「兵庫陶芸美術館」「立杭 陶の郷」へ向かう。 立杭の里を取り巻く 秋の光を浴びた 広葉樹の山並みが穏やかだ。 陶芸美術館の特別展示は フランス アールヌーボーのガラス作家 ルネ・ラリックの作品。 そして 新旧丹波焼の展示が 物足りないかな。 美術館から 60軒ほどの窯元が 道を挟んで並ぶ窯元の集落へと歩く。 歴史を感じさせる家と陶房 質素な展示スペース。 陶房と店の人たちの穏やかさと人の良さ。 商売っ気がない。 それが とても気持ちがいい。 丹波焼 最古の登り窯 蛇窯と呼ばれるに相応しい長い登り窯。 これも 窯元の並ぶ集落の中にある。 今も現役で頑張っているのか? この看板が気に入り 「坂の上」の矢印につられて行ってみた。 美しい広葉樹の先に 大きな陶房が見えた。 集落の人々 美術館で働いている人達 風景も含めて

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    k10no3 2022/11/13
  • ニコラスからのメール - ururundoの雑記帳

    撮影:ニコラス(Nicolas) in Finland 4年前 有機無農薬農業を うちの近くでやっている チャックのボランティアとして 山奥のこの集落に 数ヶ月滞在したニコラス。 数日前に Facebookのメッセンジャーから メールが届いた。 4年振りというか 初めての事だ。 フランス人のニコラスは 小柄で 行儀がよく 賢そうな男の子。 大きな目をして 髭をはやし 煙草を吸った。 父親がジャーナリストで そのせいか 若いのに色々な国に旅していた。 撮影:ニコラス(Nicolas) in Finland そして 今は フィンランドで ビーバー 熊 狼・・・ 大きな動物の生態調査をしている。 いかにもニコラスらしい。 私の短い間に知ったニコラスは そんな男の子だった。 この地を離れる時 住所も メールアドレスも交わさず 思い出だけを心に残した。 遠く離れた国から届いたメールに 私は(もちろん

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    k10no3 2022/11/10
  • 「アンドリュー・ワイエス 作品集」 高橋秀治著 - ururundoの雑記帳

    絵でも でも 映画でも 音楽でも 最初に出会った時には そんなに感動しなかった という 経験をした人は 私だけではないはずだ。 でも ある時 そんな絵や映画音楽が 自分にとって意味を持つ様になる時が来る。 意味というより 大好きになると言ったほうが良い。 1974年 京都国立近代美術館 私はそこで「アンドリュー・ワイエス展」を見た。 その時から およそ半世紀の今 私はアンドリュー・ワイエス作品集を見て 読んで 大好きになっていた。 近代美術館でこの絵を見たのを 覚えている。 強い風に吹き上がるようにたなびくレースのカーテン。 高橋秀治さんの文を読むと レースのカーテンが 意味を持ち始める。 「海からの風がカーテンを吹き上げた瞬間。 私は興奮して卒倒してしまうところだった」とワイエス。 「ワイエスはこの光景を1、2分見ただけなのだが 写真の様に細かく思い出すことができた」 と著者の高

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    k10no3 2022/11/08
  • 霧の朝 - ururundoの雑記帳

    朝 目覚めると 窓の外は真っ白な霧に包まれている。 そんな朝が続いている。 今朝も 峠では美しい雲海が見えるはず。 小屋の前の道は 白い霧の中へ吸い込まれる様に消える。 こんな白い風景を 今まで何回見た事だろう。 スマホを持ち 外に出る。 草も落ち葉も露で光り の先が濡れる。 何枚か写真を撮り ストーブで暖まった小屋で 朝ごはんをべる。 ミルク紅茶と トーストとカスピ海ヨーグルト 簡単なお決まりの三品。 これをべて 私の朝が始まる。

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    k10no3 2022/11/06
  • 一気に 秋の美しさ  - ururundoの雑記帳

    「美しさと意志」の家 うちから二つ奥の集落へ用事があり行く。 細いくねくねとした山道を車で10分ほど。 谷筋のうちの集落より 少し広がりがある。 それだけで 空が広い。 山や家々の木々が 1日1日色づいて 秋の美しさが これから一気に始まるのだ。 この辺りに行くと いつも私が写真を撮る家がある。 トタン屋根の 少しずつ建て増した家の 周りの風景に溶け込んだ 美しさと意志。 私のこの思いを この家の住人が知ったら 「え〜 美しさと意志だって!?」 冷たい雨が止んだ後 昼過ぎに 大きな虹を見た。 山と山を繋ぐ 見事な虹の橋。 下を見れば 土に茶や黄色 赤い葉が重なり それが 雨に濡れ しっとりとした秋の風情だ。

    一気に 秋の美しさ  - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/05
  • 秋の真ん中 - ururundoの雑記帳

    午後3時過ぎに用事で町へと下った。 冷たい雨が降り 空は灰色で 山は雨の靄に包まれ 木々の葉は 急に黄色に色づき始めた。 11月に入った途端に秋だ。 小屋のそばの木蓮や栃の葉が いつになく美しい黄に色づいた。 少し忙しい日々が続き 図書館から借りているもそのままで 読まずに 返してもいいと思う。 あれもしなければ これもしなければと 大したことでもない事に 心を煩わすのはやめた。 町への往復の車の中で そんな風に思い それがすごい事を決断したかのように 気分が軽くなった。 いよいよ秋の真ん中だ。 明日からは いいお天気だとニュースが言う。 明るい毎日が続くのが嬉しい。

    秋の真ん中 - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/11/02
  • 無花果(いちじく) - ururundoの雑記帳

    友達から貰った「城陽のいちじく」 洗って皮のまま 又は 手で皮を剥く。 その時の気分でべ方が変わる。 手に果汁がつくのが嫌な時は 二つに切り スプーンでべながら 切り口の美しさと 果汁の艶やかさを愛でる。 子供時代 いちじくは 家の空き地に植っており 夏にはその木に トカゲが 艶のある体を 陽にあててじっとしていた。 よく熟れたいちじくを 木から採り 友達と他愛のない話をしながらべた。 これは数人の友達の家 近所の家での思い出だ。 いちじくは 買うものではない 近所の庭のを採ってべるという思い出。 私がスーパーで見るいちじくを 高いと思ってしまうのは こう言う事だ。

    無花果(いちじく) - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/10/31
  • 峠まで - ururundoの雑記帳

    京都から 夫の友達二人がやって来た。 一年振りの訪問。 いいお天気でよかった。 昼ごはんを済ませ 今日の訪問の目的の一つ 若狭湾が見える峠まで 友達の車に乗って出かけた。 うちから 峠までの登り口は近い。 そこからまだ紅葉には早い山道を車で登る。 空は広がり 見上げていた山並が下に見える。 この峠は 京都 滋賀 福井の 県境が一つになる 峠でもあり分水嶺でもある。 ブナはすでに落葉して ヤドリギが絡みつき 若狭湾に浮かぶ島が霞んで見えた。 広い空に 雲が浮かび 山々は 下に広がる。 数年振りで来た峠は 風もなく 穏やかだった。 近くなんだから 度々来よう。 来るたびに そう思う。

    峠まで - ururundoの雑記帳
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    k10no3 2022/10/29