このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。 ○月×日 午後 結構ある歯のトラブル 「この料理、何か金属が入っているんだけど」。お客様がそう言って店員を呼び止めた。確かに、お客様が指差すそれは、小さな金属片のようだったが、皿を凝視した店員はあることに気が付いた。 「お客様、これは歯の詰め物ではないでしょうか」。 「えっ」。そう言って口の中を確認し始めたお客様は「あっ」と言って詰め物がはずれた歯があることに気が付いた。 これは今日の午前中に発生したトラブルだった。この一件は無事に解決したが、食事中にお客様の歯の詰め物が取れて料理やドリンクの中に入り、お客様が金属や石と間違えるというクレームは意外に多い。 もっともお客様自身の歯の一部が欠けているわけだから、異物の正体が歯の詰め物だと分かれば、それ以上、話がこじれることは少ない