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ブックマーク / ueshin.blog60.fc2.com (3)

  • 『近代ヤクザ肯定論』 宮崎 学 | 考えるための書評集

    人材派遣大手のフルキャストは港湾労働に労働者を派遣してなぜ事業停止のおとがめを喰らったのか。港湾労働はなぜそこまで危険な要素をふくむのか。沖仲仕とよばれる労働者はなぜ独特のイメージをまとわされているのか。 「フルキャストを事業停止に追い込んだ港湾荷役」 EU労働法政策雑記帳 上記のような記事がある。日の最大のヤクザである山口組は神戸の港湾労働から生まれてきたのである。また日雇い労働者の労働派遣はヤクザの手配師によって握られている。なぜ労働派遣はヤクザと結びつくのか。ヤクザはなぜ労働派遣の仕事と重なるのか。 そのような疑問を解くとしてこのを読んだ。労働派遣の業種がおおく解禁されたことにより、またヤクザが切り開いてきた前近代の歴史がよみがえるのではないか、そのような懸念を抱きながらページを繰った。 山口組は神戸の港湾労働組織から生まれた。港湾労働は過酷な労働であり、前歴を問わない荒くれ者

  • 安さの裏にひそむ現代の「女工哀史」 | 考えるための書評集

    私はほとんどの服をユニクロで買う。ジーンズでも3000円、シャツでも1000円で手に入る価格から離れられない。センスもいい。多くを人件費やコストの安い中国で製造しているからということだが、私はさいきん『大地の慟哭』という中国の出稼ぎ農民(民工とよばれる)の悲惨な労働状況のレポートを読んだ。つなげてみれば、現代の「女工哀史」によって、私たちは安い中国製の服や物を買っているという現実に思い当たる。 1845年に出版されたエンゲルスの『イギリス労働者階級の状態』、そして1903年(明治36年)の『職工事情』、1925年(大正14年)の『女工哀史』などのをまとめて読んでいるが、19世紀のイギリスや20世紀の日でおこなわれた過酷な労働がこんにちの中国でもくりひろげられているのである。そして私たちはそのような過酷な労働のうえに安い商品を享受しているのである。 明治・大正におこった凄惨な労働条件はこ

  • 『日本残酷物語〈5〉 近代の暗黒』 | 考えるための書評集

    の民衆や労働者がたどってきた悲惨な歴史をつづった書。というよりか、なまなましい日人の父祖の生活や実態が間近に感じられる名著である。 むかし宮常一の『生業の歴史』(未来社)にも歴史の教科書にすべきだと書いたが、まさしくこの歴史の教科書にとりあげられるべき内容のである。政治屋や国家の歴史なんていらない。民衆はどう生きてきたのかとリアルにわかる歴史書のほうがもっと私たちのためになるものである。 私たちはなぜか労働や世間の実態というものを知らない。学校に隔離されて世間の実態を知らない。そして社会に出て労働の世界に面喰い、それでも世間の実態やなりたちが理解できない。 私たちはこの世間の実態というものが空白のまま、社会につき落とされるのである。だから私はやみくもに世間や労働社会の実態を知りたいと労働界をうろうろしてみたのだが、おそらくはこののような知識を探していたのだろうと思う。 この

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