「スティーヴン・キングとスティーヴン・ホーキングを足して2で割ったような本」(「はじめに」より)とはよくいったものである。前者は有名なホラー作家。後者はいわずと知れた天才理論物理学者だ。そのふたりが合体するにふさわしく、本書のテーマはずばり「死に方の科学」。ここには45通りの死のシナリオが取りあげられている。今日にも起きそうな筋書きもあれば、今生では巡りあいそうにない設定もある。それぞれについてあなたが具体的にどのように死ぬかを描きながら、様々な科学知識を提供しようというのがこの本の狙いだ。 「身近な現象を科学で説きあかす本」はけっして珍しくない。ただ本書の場合、その「身近な現象」が「死」である。私たちはひとり残らずあの世に行くわけだから、考えようによってはこれほど「身近な」話題はないだろう。もっとも人間である以上、心臓が止まって脳死を迎えるという、最後の最後のところにそうそう違いがあるわ
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