「六十の手習い」とは晩学のたとえだが、学問や稽古事を晩年に始めても遅すぎることはないという意味で使われることも多い。だが、こと外国語学習に関しては臨界期(その時期を過ぎると学習が不可能になる期間)があり、それは12、13歳までで、60歳では「完全にアウト」だと本書にはある。 ただしこれは「ネーティブのような言語能力」を身につける場合で、簡単な会話と聞き取り、読み書きであればその限りではない―――とはいえ、かなり大変だろうが。 本書は、アメリカ文学の翻訳と紹介を長年手がけてきた著者が、スペイン語学習を思い立ち、60歳を過ぎてメキシコへ語学留学した際のスペイン語との格闘ぶりを記したもの。 まず理由から。2000年、米合衆国におけるヒスパニック系人口は12・5%を占め、従来の最大のマイノリティーであったアフリカ系(黒人)を上回った。それを証明するように、著者が目にするアメリカの現代小説にはスペイ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く