出版ジャーナリスト 原山建郎 「日本人は外来のコード(記号、慣例)を内生のモード(様式)に転換することが得意だが、それは単なる加工技術ではなく、編集力である」とは、編集工学の泰斗、松岡正剛さんの持論。『ウェブ電通報』(2015/01/15)の対談「新・日本力の鍛え方」№4に、松岡さんの解説を見つけた。 例えば、古代日本に漢字というコードが中国からやって来たときは、それを使いこなせるプロをつくったわけですね。やがて漢詩を読める人も多く出てきて、菅原道真のように自分で漢詩をつくる人も登場する。だけど、日本のコモンランゲージ(※標準的な共通語)の方は、中国語化はしなかった。そうして、和語に当てはめて万葉仮名をつくった。また漢字から平仮名やカタカナをつくり、漢字仮名交じりという独特のモードにしました。 5~6世紀ごろ、文明大国・中国から朝鮮半島経由で日本に文字(漢字)が伝わると、日本人は「和魂漢才