京都大などのチームは11日、サルやチンパンジーの声帯にある「声帯膜」と呼ばれる組織をヒトが進化の過程で失ったことが、言語獲得の一因になったとみられるとの研究結果を米科学誌サイエンスに発表した。声帯の構造が単純になり、安定して長く、複雑な音声を発することができるようになったという。 チームの西村剛京大准教授(自然人類学)は「ヒトの言語獲得は知能だけでなく声帯の進化も深く関わっていることが分かった」と話した。 チームは遺伝的にヒトに近いニホンザルなど約40種の喉の標本をCTスキャンして分析し、ヒトの喉の構造と比較した。