企業の製品開発で「ジェンダー(社会的性差)」が重要テーマとして浮上してきた。意図的でなくても性差別的な表現や誤ったメッセージを発信すれば、交流サイト(SNS)などを通じて「炎上」し企業ブランドまで毀損しかねない。製品開発にジェンダーの要素を適切に取り入れられるかが問われる。 一方、「ジェンダーレス」、「ジェンダーフリー」など、性別に関係なく利用できる商品やサービスが増えつつある。男女の区分けをなくす、今までにない商品設計で新たな顧客を開拓している。 男女がはっきり分かれた商品展開が当たり前だったものの1つが、腕時計だ。腕のサイズの違いの他に、嗜好や時計に求める役割の差が背景にある。しかし近年、男性が細身の腕時計を付けたり、女性が大振りな時計を好むといった傾向が見られるようになってきた。若い世代をターゲットにし、同社初のジェンダーレスブランドを立ち上げたセイコーウオッチ(東京都中央区)に話を