ニセモノ製造拠点として知られる中国南部広東省でこのほど、人民元のニセ札製造グループが公安当局に摘発され、最高額紙幣の100元札で2億1千万元(約39億8千万円)分のニセ札が押収された。広州日報によると、1949年の新中国成立以来、押収額、容疑者数とも最大という。 当局は9月中旬、同省恵州市のニセ札印刷工場2カ所を捜索。刷り上がった100元札のほか、印刷機4台などを押収し、容疑者29人を拘束した。2億1千万元分の紙幣は、重ねると66階建てのビルの高さになるという。 工場は摘発を防ぐため、別の工場内にひそかに作られていた。事務所の書棚を押すと隠し通路が現れ、中に入れる仕組みで、防音も施されていたという。 中国では11月に最新のニセ札防止策を施した新札が発行される予定になっており、グループは「最後の機会」とニセ札をフル生産していたという。(香港=延与光貞)