新型コロナウイルスは、演劇や落語にも大打撃をもたらしています。緊急事態宣言で、劇場や寄席が閉鎖され、多くの舞台公演や落語会が中止や延期となりました。宣言は解除されましたが、これまで経験したことのない苦境の中、演劇や落語にかかわる人たちはどうしているのでしょうか。さまざまなアンケートから、厳しい現実が見えてきます。【林尚之】 ◇ ◇ ◇ 東宝、松竹、劇団四季、ホリプロ、アミューズなど主な演劇関係の会社、劇場、団体など40社で結成された「緊急事態舞台芸術ネットワーク」のアンケート結果が、衝撃を呼びました。 回答は16社で、5月末までの公演中止による損失額は30億円以上が2社、10~30億円が3社、5~10億円が2社でした。中止は6月以降も続いており、損失額は増えるでしょう。将来的に事業継続が困難と答えた社が6社もありました。ネットワークに参加したのは演劇の大手・中堅ですが、「夏まで到底