つまりは、ぼくたちが「挫折したいい子」だからだ。 ぼくたちは同年代の子どもたちのなかでは一番早熟で聞き分けもいいが、内心ではすべての大人とすべての子供をバカにし、世の中のすべてを見通しているという傲慢を抱いていた。 それがやがて幻想だったと知るのにきみは何年かかっただろうか。中学生になってから? 高校生? 大学生まで引きずった? 社会人になるまでわからなかった? もしかして、社会人になれなかった? ぼくらは賢かった。小賢しかった。控えめにいっても糞生意気なガキだった。 悲劇だったのは、その「賢さ」が結局のところ中途半端だったことだ。勘がよくても高等な「お勉強」には向かなかった。気がついたときにはきみはもう「いい子」なんかじゃない。誰も褒めてはくれない。いや、そもそも誰かがきみを褒めてくれたことなんかあったか? 時代は移ろって2012年、ぼくたちは大人になった。かつては俗っぽさを蛇蝎のごとく
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