【工藤隆治】鉄道の駅員や車掌に乗客が暴力をふるうトラブルが2012年度に全国で932件発生し、都道府県別で東京都が最多の302件だったことが、国土交通省の初の全国調査でわかった。加害者の7割は酔客で、国交省は「大都市は乗客が多いうえ、繁華街を抱えて酒のトラブルが多い」とみている。 全国のJRと私鉄全170社に、駅員らが殴られたりつばを吐かれたりしたトラブルを尋ねた。多発した府県は神奈川(93件)、愛知(72件)、埼玉(71件)、大阪(58件)、千葉(53件)が続いた。1件もなかったのは秋田、鳥取、長崎など9県だった。 具体的な事例としては、車内で酔いつぶれた仲間を待つためドアを押さえていた客が、注意した駅員を殴った▽禁煙のコンコースで喫煙をとがめられ、投げ飛ばした▽機械の故障で待たされたのに腹を立て、駅員を土下座させたうえ頭を踏みつけた、などがあった。トラブルの8割について、各社が警察へ届