ディスコ・パンク/ニュー・レイブ、そして「北米インディー」というムーブメントが席巻した2008年。まずはアメリカに注目してみよう。ボン・イヴェールが大ブレイクするための下地を用意したネオ・カントリー/チェンバー・ロックの雄フリート・フォクシーズや古今東西のサイケ・ロックに精通した機材マニアテーム・インパラがデビューしたのもこの年だったが、最大のニュースはやはりヴァンパイア・ウィークエンドの登場だろう。小綺麗で記号的なプレッピー・スタイルにその身を包み、現代版トーキング・ヘッズとでも言いたげにアフロ・リズムを軽やかに現代的なインディー・スタイルへと洒脱に落とし込むセンスの塊のようなバンド、それが彼らだった。そのスマートかつ鋭い感性は「北米インディ」というムーブメントを突き動かす重要な推進力となってゆく。ディアハンター『Microcastle』も2008年の音楽シーンを語る際には欠かすことので