ロシアとイランは2年にわたってイラン製弾道ミサイルのロシアへの供与をめぐって交渉してきた。目的はロシアがウクライナに対して続けている攻撃を強化するためだ。そして9月4日、イラン製Fath-360(ファトフ360)弾道ミサイルの第1弾200発がカスピ海経由でロシアに到着した。 アントニー・ブリンケン米国務長官は、イランによるロシアへの弾道ミサイル供与はロシアがウクライナで拡大して2年半あまりたつ戦争を「著しくエスカレートさせるもの」だと警告している。 たしかにこれはウクライナにとって悪い事態だが、最悪の事態とまでは言えないだろう。Fath-360は小型の短距離ミサイルであり、200発という最初の供与数も、ロシア軍が2022年2月以来、ウクライナの都市に向けて発射してきたミサイルがおよそ1万発、自爆型のドローン(無人機)が数千機にのぼることを考えれば、それほど多いものではない。 イランとのFa