太陽電池の研究開発目標は、大きく2つある。太陽光を電力に変換する効率を高めることと、部材(BOM)コスト/製造コストを引き下げることだ。日本、米国、欧州のいずれも将来の再生可能エネルギーの比率を総発電能力の1割以上に高めようとしており、効率改善とコストダウンは今後も重要な開発目標であり続けるだろう。太陽電池が生み出した電力の発電コストが、一般の送電網から供給される電力のコストと同等かより安価に供給できる状態「グリッドパリティ」を達成できなければ大規模な普及が望めないからだ。 2つの目標の重み付けは開発時期や、太陽電池の方式によって変わるが、一般には変換効率が高くなるよう新しい材料や構造を開発し、次に材料コストや製造コストを抑えて量産する。これを繰り返すことで、商用電源よりも安価な電力を太陽光発電で供給するわけだ。 表1 太陽光発電に関するロードマップ「PV2030+」 さまざまな方式の太