「2強3弱1虚弱」 プロ野球チームの序列ではない。失礼を承知で書くが、これは十数年前に警察関係者でささやかれていた近畿6府県警の捜査1課の「力」を表す言葉だ。2強は大阪と滋賀、3弱は京都、兵庫、奈良、そして不名誉な1虚弱が和歌山だった。 誰から聞いたかは覚えていないが、平成7~9年当時に和歌山県警を担当していた記者としてもいい気分がしなかった記憶はある。ただ、それに反論できないほど和歌山県警には未解決事件が山積していた。 古くは昭和63年に和歌山市で新聞配達をしていた女子高生が殺害された事件。平成5年に有田市の書店経営者が預金4000万円を引き出した直後に妻とともに失踪したケースは、「事件」として認定されていないかもしれないが、夫婦はいまだに行方不明のまま。同じ5年の阪和銀行副頭取射殺事件は全国的にも有名だろう。 7年に私が県警本部担当になってからも迷宮入りは続いた。スポーツ店主殺害のほか