近年、主軸を担っていた日本代表クラスの選手たちの海外移籍が相次いだ影響は大きく、今オフは前キャプテンである谷口彰悟もカタールに電撃移籍。圧倒的な強さを維持し続けることの難しさに直面しながら迎えるシーズンだったからだ。 守備の統率者がいなくなり、開幕直後には車屋紳太郎やジェジエウ、登里享平らの最終ラインに怪我人が続出するアクシデントにも見舞われた。新加入選手である大南拓磨のフル稼働で持ち堪えたものの、勝ち点を伸ばせず、一時は15位に低迷していたほどである。 ところが、川崎フロンターレはしぶとかった。 「いまの順位でも最後に優勝するという目標を持たなければいけないですし、自分はいつも目標を持って考えているので、この時期をいい時間、巻き返すための時間にしたいと思っています」 春先、苦しんでいた時期の鬼木達監督の言葉である。指揮官はたとえ下位にいても「優勝」という目標を譲らず、目指す基準も下げなか