穏やかな田園風景が広がる児湯郡新富町は日本第3位のウナギ生産量を誇る宮崎県のなかでも主要なウナギの生産地だ。そして、このウナギの聖地で注目を集める異色のウナギ職人から、私はなぜかワイン業界の謎への答えを聞くことになった── 株式会社 中村養鰻場 代表取締役社長 中村 哲郎 1966年、児湯郡新富町生まれ。18歳で地元を離れ、東京でコンピュータ業界に就職。顧客対応をしていた。2000年に生き方を変えようと実家に戻る。児湯郡の養鰻業第1世代として中村養鰻場を創業した父親に養鰻を学び、徐々に独自の理論を構築。自然の影響でそもそも安定しない養鰻業が問屋の都合でさらに不安定化する業界の常識に疑問を感じ、家族ぐるみで製造から販売まで手掛ける型破りな組織へと自社を変革した。現在は代表取締役社長として13人の従業員を率いる なぜ産地で食べると美味しいのか? 宮崎県の新富町というウナギの養殖、つまり養鰻(よ
