「各自頑張ってください。」 やや照れくさそうに、トークの最後はその言葉で締められた。10月28日にサイバーエージェントさんをお借りして開催した「リーン開発の現場」の出版イベントでのことだ。最後の言葉がしばらく耳に残った。その言葉を頼りに自分の記憶を辿ってみると、ある出来事が思い出された。 それは2008年10月31日のことだった。出版イベントの実に5年前だ。当時私は友人の同僚と2人で「アジャイルプラクティス」の読書会を社内で開催していた。その締めくくりとして監訳者の2人を会社にお招きしたのだった。最後の読書会も終えて、その懇親会で私は恐る恐る監訳者の1人に話しかけた。その時、監訳者の方とは"持ち場"の話をした。自分たち一人一人が"持ち場"を持っている。それぞれが大切にするものは違うかもしれない。それを大切にすることは、決して楽ではないはずだ。様々な問題が待ち構えている。しかし、自分の抱える