無期限の徒刑囚のように、僕はこれから何十度も娘たちに服を買わねばならないのだろう。何千年分の味気無さを、先取りしなければならないのは、僕たちが輝かしい者たちの末裔だからであり、その血のたぎりの余熱を、残像を知っているが故の懲罰だった。 すべては終わった、と云う事が出来るように、何も終わっていない、何も始まっていない、ということも出来る。有線放送に耳を傾けながら女の子が試着を終えるのを待っている間にも、海の底では石臼が回り、数百万人の人々が拳を振り上げ、慟哭している。だが結局は同じ事だ。 福田和也「天は仰がず 小説家・中上健次」 自分は、まあ、ひねくれ者だと思う。 中学生の頃、同世代の人間が『セーラームーン』や、あかほりさとるや、『天地無用』にハマっている中、自分は田丸浩史や西川魯介の活躍する『少年キャプテン』を愛読していた。それと、ねこぢるが好きだった。オタ友が、あかほりのラノベを読んで「