深さ1000メートルを超える深海底のさらに奥深く、何枚もの地層が折り重なる地下空間に、膨大な量の未知生命がいることをご存知だろうか? 地球に残された最後の生命圏フロンティアとも言われる「海底下生命圏」である。その住人は、直径がおよそ500ナノメートル(1/2000ミリ)程度の、顕微鏡でしか見ることのできない小さな微生物たちだ。 過去10年以上にわたり、科学掘削船で海底を掘り、地層サンプル(堆積物)に含まれる微生物の研究が行われてきた。最新のデータによると、海底下には地球全体で2.9×10の29乗個の単細胞の微生物がいると考えられている。宇宙空間の全恒星の数よりもはるかに多い天文学的な数だ。一つ一つの微生物は小さくても、その小さなパワーが無数に集まることで、地球内部の炭素循環を調節する重要な役割を果たしている。例えば、次世代エネルギーとも言われるメタンハイドレートなども、実は海底下の微生物が
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