野生生物保全協会(Wildlife Conservation Society、米国)展示グラフィック部門スタジオマネジャー・塾員 この3年ほどの間に太地町のイルカ漁とWAZA(世界動物園水族館協会)の問題や、展示動物の入手が困難になっている状況などがマスコミで取り上げられ、動物園についてのニュース特集番組なども作られるようになってきた。結構な傾向であるとは思うが気になっていることが1つある。それは、すべてが人間側の都合の話に終始し、動物の側に立った視点が欠落しているということだ。具体的には、減少する野生の個体群との兼ね合い、そして動物園の動物自身の福祉という2つの視点である。これなくして動物園を語ることはできない。 欧米では19世紀には野生動物の減少・絶滅の問題と保護の必要性が認知されており、私のデスクのあるニューヨークのブロンクス動物園のように野生生物保全を設立趣旨に掲げる動物園がすでに
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