ミツバチの体を麻痺させて巣穴へ持ち帰るオオツチスガリモドキ(Philanthus triangulum)。巣の中で、獲物の体に卵を産み付ける狩りバチだ。(PHOTOGRAPH BY GUDRUN HERZNER) ハチの毒針は、敵から身を守る強力な武器だ。しかし、その卵は柔らかくて細長く、動けもしないので、カビにやられればひとたまりもない。 ところが、ハチの仲間であるオオツチスガリモドキ(Philanthus triangulum)の卵が、驚きの方法でみずからを守るという研究結果が発表された。生けるガス弾よろしく、抗菌ガスを放出して、巣がカビるのを防ぐという。この論文は、査読前の論文を発表するサイト「BioRxiv」に投稿された。 オオツチスガリモドキは単独で生活する狩りバチだ。メスはまずミツバチを捕らえ、体を麻痺させる毒を注入し、動かなくなってから土の中の巣穴に引きずり込む。そして、ミツ