人類の物質観を革新する「トポロジカル物質」、そのカギは時間や空間の反転にあり バーチャル空間で物質を観る トポロジカル物質はドーナッツとクロワッサン?? 2016年のノーベル物理学賞は、物質のトポロジカル性質の解明の先駆けとなる発見をなしとげた3人の研究者に贈られました。 私は、10月初めのノーベル財団による発表記者会見の実況中継をインターネットで見ていましたが、受賞者の研究業績を紹介するノーベル賞選考委員の教授が、持ってきた紙袋のなかからクロワッサンとドーナッツとさらに二つ穴のドーナッツ型菓子パンを取り出し、トポロジーとは何か、記者たちに説明していました。 穴が開いているかいないか、いくつの穴が開いているか、そのような違いは数学でいうトポロジー(位相幾何学)という概念で整理され、穴の大きさや形などの詳細によらない「頑強な」性質を表現できることが知られています。 しかし、あのような菓子パン
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