米国コロラド州のウェストマルーン盆地に、7月まで残っている雪。気候変動は自然界におけるさまざまな現象が起きる時期を、根本から変えつつある。雪解けが早まることで夏の開花期が早まり、予想もつかない形で生態系を作り替えている。(PHOTOGRAPH BY ELLIOT ROSS) 季節に応じて変化する生き物たちのライフサイクル。しかし、その時期が、しだいにずれてきている。それは人間にとって何を意味するのだろうか。 米国コロラド州中西部の高山にある草地では、科学者たちが1962年から、群れで暮らすリス科のキバラマーモットの行動を調査してきた。だが近年では、地球温暖化がいかに季節にずれを生じさせ、マーモットの健康に影響を与えているかについても注意を向けている。 毎年、春が来るとマーモットは冬眠から目覚める。交尾し、出産し、ひと夏かけて食べ物をおなかいっぱいに詰め込むと、再び冬眠する。 涼しく、爽やか