初日の出の前に、西の空の満月をご覧ください--。来年の元日未明、部分月食が全国で観察できる。欠け方はわずかだが、元日の月食は少なくとも過去半世紀はなく、珍しい。さらに来年は、6月26日に部分月食、12月21日に皆既月食と計3回の月食が現れる「月食イヤー(年)」でもある。天文ファンは「年明けから天文現象が見られるとはめでたい」と楽しみに待つ。 月食は、太陽と月の間に入った地球の影で、月が欠けて見える現象。2010年1月1日午前3時51分、西の空に傾いた満月は、左下から徐々に欠け始め、同4時22分には最も多い1割弱が欠ける。終了は同53分。 天体写真家の藤井旭さん(68)=福島県郡山市=は「うっかりすると見逃すほど軽微な月食だが、来年最初の天文現象で、初日の出よりずっと楽しみ。初詣でのために早起きする人も、まず西の空を見てほしい」と話す。月食は通常、年間1~2回で、3回見られる年は珍しいという