「23人にひとり」という報告も 「3は水色」「ラは紫」「Fは肌色」……。 いきなり誰かにそう言われたら、あなたはどう思うだろうか。昔の流行歌や、子ども向け絵本のタイトルかと思うかもしれない。 だが、これらの文言は決して「メタファー」や「創作」の類ではない。 「共感覚」と呼ばれる、いくぶん風変りだが素敵な感覚を備えた人々が、日常的に知覚している「現実」をそのまま表した言葉である。 この共感覚とは、「ひとつの感覚の刺激によって、別の知覚が不随意的に起こる」現象と定義される。 音を聴くと色が見えるという「色聴」や、文字を見ると、そこにないはずの色が見える「色字」が代表的で、「痛みを感じると色が見える」とか、「何かを味わうと手に形を感じる」といった珍しいケースも確認されている。 これまでの海外での研究事例を見ると、何らかの共感覚を持つ人の割合は「2000人にひとり」、「300~700人にひとり」、