会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 現在、ヨーロッパの大半の国では国民の半数以上の人がキリスト教を信仰していますが、それは392年にローマ帝国がこの教えを国教化したことから始まります。当時、キリスト教会はそれ以前の多神教とはまったく異なる教義を帝国民に正確に伝えるために、大変な苦労が強いられました。というのも、キリスト教の本質は言うまでもなく聖書に記されているのですが、書物そのものが大そう貴重であったし、民間における識字率はきわめて低かったからです。そこで教会は聖堂装飾を利用することにしました。このときから17世紀前半に到るまで、美術で扱われる主題はキリスト教の関連のものが中心となり、そのことによってイエスの教えを数多くの人々に伝えることに成功したのです。 キリスト教は1世紀にユダヤ教を母体にして誕生したのですが、そのユダ