新潮社は21日、1924年創刊の旅行雑誌「旅」を、来年1月20日発売の3月号で休刊すると発表した。 「広告収入の減少と旅行需要の落ち込みなどで、恒常的な赤字体質を改善できなかった」(同社)ため。 同誌は日本初の本格的旅行雑誌として、日本旅行文化協会から刊行され、戦後、高度成長期の旅行ブームで人気を集めた。作家、松本清張の代表作の一つ、「点と線」を連載(57〜58年)し、ベストセラーも生んだ。2004年に売り上げ不振のため、発行が新潮社に移管。今年の11月号で通算1000号を達成したが発行部数は低迷し、ピーク時の20万部が現在は5万部程度という。同社は「不定期刊など何らかの形で『旅』のブランドや精神を継承したい」としている。 【関連記事】 岡山日日新聞:廃刊決定 社員、無念さにじませる /岡山 伊勢人:休刊中の地域文化誌、30周年記念号を発刊 /三重 角川書店 : 「ザ・スニーカ