もうすぐ小田急電鉄から2形式のロマンスカーが引退する。白地にワインレッドの帯の10000形(HiSE)と、白地にオーシャンブルーとオーキッドレッドのラインが入った20000形(RSE)だ。両方ともロマンスカーだけど、10000形は先頭車両に前方展望席があり、20000形にはない。20000形は中間車の2階建て車両が特徴で、いわば「側方展望席」だ。 ところで、10000形に限らず、前方展望席のある小田急ロマンスカーは、ほかの車両に比べると1両ごとの車体が短い。20000形の中間車の車体長が約20mなのに対し、10000形の中間車の長さは約12m。20000形はほとんどの鉄道が採用している大型車と同じだが、10000形はその半分くらいしかない。ローカル鉄道向けの車両でさえ長さ17~18mだというのに、もっと短いのだ。なぜ展望席のあるロマンスカーは車体が短いのだろう。 小田急ロマンスカーの"伝統