欧米にも中露にも中東にも不信感を抱くイラン 反米国家としてのイメージが強いイランだが、実際にはイラン人の多くが、われわれ日本人と同様に、米国、そしてヨーロッパの文化に対して、親しみと強い憧れを抱いている。とはいえ、19世紀以降は英国とロシア(ソ連)、20世紀に入ってからはこれに米国を加えた三大国の利害に翻弄され、なかばそれらの属国ないし半植民地的な地位に甘んじてきた歴史がある。 欧米諸国は、いったい誰の味方なのか――。イラン人の欧米観の根底に、こうした不信感が横たわっていることを見落としてはならない。 では、イラン人はどの国を信用の置けるパートナーと見なしているのか。 ご承知のように、イランの友好国はロシアと中国であるというのが、一応、国際政治の常識となっている。しかし、実際にこれらの国に対して一般のイラン人が抱くイメージは、欧米先進国よりもさらにひどい。何しろ中露両国は、今やイラン国民最