東日本大震災の被災地では、避難所には救援物資が届くようになってきたが、自宅など避難所以外で生活を続ける人に物資が行き渡らないケースが相次いでいる。避難所で食料をもらおうとして断られた例もあり、住民からは「支援の輪の中に入れてほしい」と悲鳴が上がっている。【金子淳、福島祥、樋岡徹也、福永方人】 ガソリンスタンドや店舗が営業できなくなった岩手県大槌町。川沿いの集落に住む建築業、上野松二さん(49)は、自宅にあった米と梅干しで食いつなぎ、20日に隣の釜石市に買い出しに行ってようやく保存食を仕入れた。 妻と2人で暮らす家に、津波で家を失った兄の家族3人も身を寄せ、食料は3日分ほどしかない。ガソリンも残りわずか。仕事がないため収入も途絶え、「避難所だけでなく、自宅に避難している被災者にも物資を届けてほしい」と訴える。 住民が避難した高台の施設などがそのまま避難所になるケースもあり、被災者は広範囲に点