北米原産の果物「ポポー」の量産化に静岡市清水区興津中町の塗装業「池ノ沢工業」社長の望月史さん(56)が成功した。栽培開始から6年。まったくの畑違いの挑戦だったが、今年は2千個以上の収穫を見込む段階まで到達した。望月さんは「地域の新しい特産品にしたい」と張り切っている。 ポポーはバンレイシ科の果物で、春に花を咲かせ、秋に黄緑色の実を付ける。アケビのような長楕円(だえん)形で、果肉は黄色や薄いオレンジ色をしている。甘みに富んだ濃厚な味わいが特徴で、「森のカスタードクリーム」とも称される。傷みやすく変色しやすいため、「流通が難しく、大規模な商業栽培をしている農家は全国でもあまりないと思う」と望月さんは話す。 明治期に日本に持ち込まれ、望月さんの家でも約45年前まで栽培していた。幼心に「こんなにおいしい果物はなかった」と記憶し、50歳になったのを機に、同区茂畑に約30アールの農地を購入して、本