天栄村湯本の奥深い山中にたたずむ二岐(ふたまた)温泉。渓流に沿って温泉宿が点々と並ぶ中で、急な石階段を下った二俣川沿いにある「湯小屋旅館」は、ひときわ建物が古くてひなびている。ここは伝説の漫画家つげ義春さん(82)の作品「二岐渓谷」のモデルになった場所だ。今は改装のため休業中だが、工事は完了間近である。 「年明けには再開したい」と現在の館主、高萩一之さん(62)=白河市=は話す。高萩さんの本業はテレビ制作会社の経営者だ。メディアCoCо(郡山市)の社長を務めながら、これまで土日祝日のみの営業で旅館を切り盛りしてきた。「私が旅館を引き継いだ時は、こんなすごい漫画のモデルだとは全く知りませんでしたよ」と高萩さんは豪快に笑う。 物語は秋の終わり、東北への旅に出発した青年の姿から始まる。台風が迫る日、二岐温泉に到着。老夫婦が営む谷底のわびしげな温泉宿に泊まることになった。夕食前に露天風呂に入ると先
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